ポルシェ・カイエンGTSが、カイエンシリーズに新しく加わった。ポルトガルのファーロ近郊で行われた国際プレス試乗会に参加したので、運転した印象を報告したい。
カイエンは、昨年第2世代にモデルチェンジし、SUV(Sports Utility Vehicle)マーケットの中で確固たるポジションを築いている。SUVはランドローバーなどの専業メーカーが作るか、ごく限られたモデルが存在しているに過ぎなかった。それが、この10年間であらゆる自動車メーカーがSUVを作り出すようになった。その中でも、カイエンはスポーツカーメーカーのポルシェが作るだけあって、動力性能とクオリティの高さから世界中でヒットを続けている。
走り始めて最初に強く感じるのは、まるで911やボクスターのような、ガッチリとしたボディ剛性の高さだ。SUVは悪路を走破するためにサスペンションに多少のコンプライアンスを持たせ、専用のタイヤを履かせるから、クルマが上下左右に動くが、カイエンGTSには、それがない。ボディ剛性の高さを、より直接的に感じられるようになった。 加速そのものは時速100kmまで6・1秒(ATは6・5秒)と鋭いが、重量が2・2トンもあるので、小型スポーツカーのようにヒラヒラリとまではいかない。車高が24ミリ低くされたから乗り降りがしやすく、視界も低くなった。カイエンGTSは、911やボクスターなどのスポーツカーのテイストに最も近い、辛口のカイエンだ。オフロードでの走破性を求めず、舗装路しか走らない人には、とても魅力的に映るだろう。また、日本でも6速マニュアルトランスミッションを選ぶことができる設定も朗報だ。 |
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