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BMW M3

BMW M3

 

 BMW3シリーズにはさまざまなモデルがラインナップされているが、中でもM3は究極の一台だ。歴代のM3は専用の高性能エンジンを搭載し、見る人が見ればひと目でそれとわかるボディを纏っている。

 

 4代目となる現行M3も、ノーマルの3シリーズとは異なった迫力満点のボディだ。フロントバンパー下に大きく口を開いたエアインテーク、グッと張り出したオーバーフェンダー、フロントフェンダーとボンネットのエアアウトレット、トランクフード上のリップ、4本出しのマフラー等々。

 

BMW M3

 エンジンは、4リッターV8。これが素晴らしい。始動時からして、もう、タダものではない。

 

 フォンッ。

 

 とても軽快に吹き上がる。スロットルペダルを踏み込んでいくと、打てば響くように反応してくる。

 

 フォォォォォォンッ。

 

 乾いた排気音が、余計に回転の滑らかさを強調している。最高出力の430馬力を叩き出すのは、なんと8300回転という高回転域だ。実際、そこまで何のストレスも躊躇もなく回っていく。

 

 4代目に当たるM3は、エンジンとともにトランスミッションも一新された。ツインクラッチ式の、2ペダル7段MT、その名も「M DCT」。

 

 

BMW M3

 

BMW M3

 

 

 エンジンも素晴らしいが、それも劣らず、MDCTも絶妙だ。“D”モードに入れて走る限り、クルマの頭脳が最適なポジションをそのつど判断して次々と変速していく。

 

 パワーの途切れを感じさせない加速が、とても快適だ。市街地を普通のペースで走る限り、ポポポンッと、アッという間にトップの7段に入っている。

 

 そこからが見事で、スロットルを戻したり、ハンドルを切ったり、ちょっとブレーキを踏んだりすれば、瞬時に6段や5段、場合によっては4段にまでシフトダウンする。ショックをまったく伴わないから、インジケーターを見ない限り、いつ変速したもわからない。そして、そこから巡航態勢に入ったと判断されれば、ポンポンポンッと再び7速へ。

 

 他のBMW同様に使いやすくて見やすいのが、新しいi-Driveだ。数多くの機能が階層構造によって整理されているので、煩わしさがない。

 

 M3の出発点はモータースポーツで活躍した初代だったが、それから離れても、どのM3も究極のモデルとして3シリーズに君臨し続けている。初代から変わらないM3の価値とは絶品のエンジンであり、運転による躍動感だ。

 

 

 

 

BMW M3 問合せ先

BMW カスタマー・サポート
フリーダイヤル:0120-55-3578
モータリングライター 1961年東京生まれ。自動車と自動車にかかわる人間についての雑誌記事や単行本を執筆している。主な著書に、『10年10万キロストーリー』(1~4)、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、『ニッポン・ミニ・ストーリー』、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』などがある。ここ数年、外国を長距離クルマで走ることが続いている。2003年には、東京からロシア・ウラジオストクを経由してポルトガル・ロカ岬まで自らのトヨタ・カルディナでユーラシア大陸を横断。2006年には、ダイムラー・クライスラーのイベント『パリ~北京』に参加し、ロシア・エカテリンブルクから北京までメルセデスベンツE320CDIで走破。2007年に引き続き、今年も、『トランスシベリア2008』に出場し、総合10位、クラス9位で完走した。
http://www.kaneko-hirohisa.com/