TOP > monobook > Vol.15 Iittala TEEMA【食器のデザインかくあるべし】
食器のデザインかくあるべし
iittala  TEEMA

 食器にさほどこだわりがあるわけではない。けれど、食器が料理の味を少なからず左右することは、感覚としてわかる。たとえば外で食事をしているとき、料理と器がミスマッチだと、なんだか萎える。逆に両者が見事にマッチしていると、おいしい料理がさらにおいしく感じてしまうものである。
 それは家でも同じこと。特に大事なのは、ハレの日のご馳走用よりも、普段使い用の食器だろう。毎日使うものだから、華美な装飾は要らないし、高級品である必要もない。飽きずに長く使えるシンプルなデザインで、なおかつまとめ買いできるカジュアルな価格のものがいい。そんな観点でもっとも好ましいと思うのは、ブランドで言えばフィンランドの「イッタラ」だ。流行り廃りに関係なくずっと定番として支持されてきたが、近年の北欧ブームを経て、ますますその輝きを増しているような気がする。


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 イッタラ製品のデザインは、月並みな言い方をすれば「シンプル」だ。しかしいざ実物を目の前にすると、シンプルのひと言では表現しきれない「質の高さ」のようなものを感じさせる。世の中にはシンプルを標榜しながら実際は単に無味乾燥なだけ、というプロダクトも少なくないが、イッタラは決してそんなことはなく、シンプルななかにも計算され尽くした「デザインの妙」が確実に存在する。
 イッタラは豊富なバリエーションのコレクションを展開しており、それらを手掛けるデザイナーの中にはアルヴァ・アアルト、アントニオ・チッテリオ、ハッリ・コスキネンなどいわゆる「巨匠」と呼ばれる人たちも少なくない。かといってデザイナーのネームバリューを前面に打ち出しているわけでは決してなく、あくまでも主体は「イッタラのプロダクト」であるということ、そしてそこに一貫して流れている思想は「永続性のある日常的なデザイン」であるということだ。実はここが重要なポイントで、著名デザイナーが手掛けたという話題性ばかりをセールスポイントにする昨今の浮ついた“デザインプロダクト”とは根本的に思想が違う。

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日本初のイッタラの路面店『イッタラGINZA』のオープン記念として国内先行発売されたティーマのイエローカラー。
マグ¥2,520、カップ&ソーサー¥3,465、プレート21cm¥2,625、
プレート17cm¥2,100、ボウル21cm¥2,940、ボウル15cm¥2,100


[ 問い合わせ先 ]
イッタラGINZA
東京都中央区銀座6-2-3 ダヴィンチ銀座アネックスビル 1階
TEL. 03-6218-0812  http://www.iittalashop.jp/




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