スニーカーがファッションアイテムのひとつとして捉えられるようになって久しい。今やパリやミラノの高級メゾンもこぞってオリジナルのスニーカーをリリースしており、それらはいわゆる高級靴のような品格と上質さを備えている。たしかにそれはそれで非常に魅力的であり、手軽なカジュアルシューズという従来のスニーカーの概念を覆した功績は極めて大きい。しかし、私が思うに、やはり餅は餅屋。履き心地や機能性の面において、歴史のある本物のスポーツメーカーには到底かなわない。そういう意味で、「PUMA by MIHARAYASUHIRO」は、スニーカーのひとつの理想のかたちと言えるかもしれない。
「PUMA by MIHARAYASUHIRO」は、2000年に発表されたプーマとミハラヤスヒロのコラボレーションブランドである。プーマは言わずもがな、ドイツ生まれのスポーツブランドであり、近年はスポーツの枠にとどまらず、アパレルブランドとのコラボレーションを積極的に行うなどファッション性を強く打ち出している。一方のミハラヤスヒロは、日本人デザイナー三原康裕氏が1997年に立ち上げたブランド。パリやミラノのコレクションに参加するなどファッション界でも非常に高く評価されているのだが、もともとシューズブランドとしてスタートしただけあって靴へのこだわりが強く、現在も既存の枠にとわれない個性豊かなシューズを数多く手掛けている。