好きな音楽は、できるだけ良い音で楽しみたい。誰もがそう思うはず。自分も例外ではない。しかし一方で、個人的には、外で音楽を聴くときはiPodに付属のイヤホンで十分だとも思っている。イヤホンを変えると音質が劇的に変わることは頭では理解しているし、ウン万円もするハイエンドなヘッドホンの魅力もよくわかるけれど、そこまでのこだわりは自分には、ない。
それでも、ソニーから昨年秋にリリースされた「XB」シリーズは、発売されるや否や衝動買いしてしまった。理由はいくつかある。まずはその見た目。あまりにも巨大なイヤークッション部分に目を奪われつつ、幅広のヘッドバンドも含めて全体としては均整が取れているところに、ソニーらしいクールさを感じた。素直にかっこいいと思う。
いざ実物を手にしてみると、そのクッション部分はふかふかに柔らかく、耳にやさしくフィットする。その着け心地が、今までのヘッドホンとは比べものにならないくらい、実に快適。さらに音楽を再生してみると、脳天にズンズンと響いてくる重低音! そのダイナミックなサウンドは、「XB」(EXTRA BASS)というネーミングにふさわしいものであった。
さらに驚かされたのはその価格。XBシリーズのオーバーヘッドバンドタイプには3機種あり、私が手に入れた「MDR-XB700」はその最上位モデルなのだが、それでも定価は¥12,390。これは極めてリーズナブルな価格設定と言えるのではないか。迫力のあるサウンドや高級感あふれる見た目から鑑みると、2万円オーバーと言われても、おかしくない。
そのようにして、ヘッドホンの新定番と評したい「MDR-XB700」であるが、難点もなくはない。イヤークッションが大きすぎるがゆえに、持ち歩く際に「かさばる」のだ。もちろん、その巨大なイヤークッションが、機能的には密閉性とフィット感を高め、見た目的にもこのヘッドホンを特徴づけているのだが。そんなわけで、私がこのヘッドホンを使うのは、もっぱら家の中。これをテレビやパソコンにつなぎ、ボリュームを上げてDVDを観るとなかなかの迫力。身体にズシンとくるサウンドとともに作品の中へとググッと引き込まれていく。「アウトドアで、迫力の重低音を」がXBシリーズの謳い文句であるが、インドアでも大いにその威力を発揮すると、個人的には思っている。
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