ラミーはドイツを代表するステーショナリーブランド。特筆すべき点は2点あり、まず、デザインがとても美しいこと。といってもその美しさは装飾を施すことによる華美なデザインではなく、ドイツデザインの源流『バウハウス』の系譜を継ぐシンプルで質実剛健な“機能美”。決して表層的ではない、工業製品としての本質的な美しさがそこにある。そしてもうひとつが、価格がリーズナブルであること。ラミーは1万円を超える高額商品もラインナップしている一方で、2,000円〜3,000円程度のリーズナブルな価格帯のものも少なくない。この低価格帯も私のツボで、書き味も見映えも良く、それなりに威張りが効いて、万が一なくしても痛くない価格というのが実に魅力的だ。
そんなラミーから、今年6月に「noto」という新作が登場。デザインを手掛けたのは、±0のデザインディレクションや、auのINFOBARなどのデザインであまりにも有名な、あの深澤直人氏。決して奇をてらわず、ミニマルかつシンプルでありながらも、どこかユニークさを感じるデザインワークは、まさに深澤氏が得意とするところ。深澤氏が手掛けるプロダクトはいつも、持ってみたい、使ってみたいと思わせる“何か”がある。もちろんこの「noto」も例外ではない。
そして驚くべきは、価格だ。ブラック×シルバーのタイプで¥1,890、そして安いほうのタイプはなんと1,470円。ドイツの名門「ラミー」と日本を代表するプロダクトデザイナー「深澤直人」という2つの強力なネームバリューを備えながら、この低価格は驚くほかない。これなら万が一なくしても安心……というわけではもちろんなく、価格の高低にかかわらず、ずっと大切に持っていたい思わせるほどの魅力を、この「noto」は備えている。 |