TOP > Food > 舌鼓 > Vol.11 銀座 てんぷら近藤×西山繭子
今回FERIC編集部が紹介するのは「てんぷら近藤」。店主の近藤文夫さんは山の上ホテル時代から揚げ手として才覚を発揮され、作家・池波正太郎さんとも縁の深い方。素材を追求し、熟練の技で揚げられた天ぷらを供す「てんぷら近藤」に、女優、そして作家として活躍する西山繭子さんを招いて話を伺った。


  私は、色々なものを食べたり見たりしたいという欲求が強いと思います。美味しい料理に出会った時は本当に幸せを感じますよね。だから、料理は突き詰めたくなるんです。料理はもちろん今まで見た事のない風景と出会えるので旅も好きなんですが、スペインに行った時、料理がすごく美味しくて、日本に帰ってきてもハマっていて、スペイン料理のお店を探したりもしました。やっぱり、料理にしても旅にしても実際に体験することが大切なんだと思います。

  美味しい体験をすると、何かしら影響を受けてしまうんですよね。演技をする時も執筆をする時も、実際に見た物や経験した事からインスピレーションを受けますし。例えば、素敵なお店でお料理を食べてる時は食べる事に集中していて、あまり考えないんですが、後になって、その事が頭をよぎって一気に書いたりすることも多いです。お店って印象に残るところが多いんですよね。料理や雰囲気はもちろんですが、天ぷらだったら、素材や衣をつけて揚げるところ、そしてその音。じーっと観察してしまいます。今も、ずっと気になって見ています。




  食事に行こうという時は、年上の大人の方に連れて行って頂く事が多いですし、好きですね。年上の方にお店に連れて行って頂くと、素敵なお店な事が多いのはもちろん、今までとは違う世界を知れるような気がするんです。もちろん自分の知っているお店にも行きますが、世の中には私の知らない事が多いと思うので年上の方や、友人にお店を選んで頂いた方が、料理、食空間、サービスにしても、知らない世界を垣間見られると思うんです。そこで、美味しい料理と出会えたり、素敵な食空間と出会えたりするとすごく豊かになるというか、幸せな気分になるんです。

  美味しい料理を食べていると、自分が幸せな気分になるのはもちろんですが、食べた時に「これ、恋人や友達とか、大切な人に食べさせてあげたい!」って思う事も、美味しいものと出会えた時の素敵な瞬間だと思います。

  逆に、どんなに美味しいものでも一緒に行く人次第で味も雰囲気も変わってしまいますよね。例えば、供された料理をいちいち解説する人とかは自慢っぽくてちょっと嫌だったり・・・。やっぱり、せっかく美味しいものを食べる時は、一緒に美味しさを共有したいですよね。





西山 繭子
Mayuko Nishiyama

1979年東京生まれ。女優としてTV、映画、舞台などで活躍する一方、2007年、色をモチーフとした短編集「色鉛筆専門店」(アクセス・パブリッシング刊)で作家デビュー。オリコカード携帯サイトで連載した美少女誘拐小説「しょーとほーぷ」が今春単行本化。さらに現在は同サイトで「校長先生がやってきた!」を連載中。女優として作家として多彩な才能を発揮している。
    てんぷら 近藤 ~熟練の技と極上の素材が織り成す天ぷら~
 銀座並木通りの一等地に位置するビルの9階。天ぷら屋らしからぬモダンなインテリア、窓からは銀座の街が一望にできる。山の上ホテルの時代から、揚げ手としての才覚を発揮していた主人の近藤文夫氏が目指したのは、「誰にでも来てもらえる、食べてもらえる天ぷら屋」だと話す。ごま油のみで香ばしく軽やかに揚げる、独特の天ぷらはますます好調。春の山の幸、海の幸、それぞれ衣の具合、油の温度などを微妙にコントロールし、旨みが最高潮に達したところで供される。「私の天ぷらは素材の追求」と、この道を極めた近藤氏だからこそ。揚げたてを味わえば一目瞭然の技。訪れる価値は十二分にある。

住所:中央区銀座5-5-13 坂口ビル9F   TEL:03-5568-0923   アクセス方法 銀座駅B5出口より徒歩2分
営業時間:昼12:00~L.O.1:30PM/5:00PM~L.O.8:30PM  休み:日曜・祝日の月曜
席数:25席
その他の座席情報 カウンター有/要予約/全席禁煙
コース料金:昼:コース¥5,250・¥7,350/夜:コース¥8,400・¥10,500・¥15,750
 




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