TOP > Food > 舌鼓 > Vol.03 青山 LUPINA(ルピーナ)×純名りさ
今回の「舌鼓」の舞台は、東京・南青山。
FERIC編集部がご紹介するのは、グリルの名手、栗本清シェフが育てるイタリアン「青山LUPINA(ルピーナ)」。歌手としても昨年アルバム「ミスティ・ムーン」をリリースし、ドラマや映画・舞台で活躍する女優ならではの審美眼を持つ純名りささんと、イタリアの二ツ星レストランで修行した栗本清エグゼクティブシェフと、ゲストとして作り手として、本物を知る二人による「大人好みのレストラン」についての対談となった。


純名りさ(以下:J)

J: 美味しい料理が供されるというのは絶対条件ですが、やっぱり接客は大切ですね。接客と美味しい料理、客とウエイターとの距離感ってすごく難しいじゃないですか。人と人との距離って仕事をする上でもとても大切ですけれども、その距離感がわかっているレストランには、何度でも行きたいって思うんです。
どれだけ美味しくても居心地ってとても大事ですよね。
レストランで頂く料理って雰囲気、空気感がプラスされて、より美味しくなるのではないでしょうか・・・?

栗本シェフ(以下:K)
K: 僕はよく常々みんなに言う事があるんです。言い方が悪いかもしれませんが、所帯じみたというか、そういう雰囲気がレストランで見えたら絶対にいけないと思うんですよ。
ディズニーランドは、なんであんなにお客様が来るのか?というと、そこではお客様に夢を与えるわけじゃないですか。だから、レストランも夢を与えるというところまでは行けないかもしれないですけれども、お客様に日常とはちょっと違った空間に来たと感じていただける演出を僕らは絶対にしなくてはいけないと思うのです。
料理もお客様と向き合って供するようにしています。
昨日も見るからに初デートで来店されたカップルのお客様がいらっしゃいまして、「この料理とこの料理をシェアしたいんですけど」とオーダーを受けました。
そのまま供するのも良いのですが、初デートなので取り分ける時にお互いに遠慮してしまって、食事を楽しむどころじゃなくなると思い、「できる限り、全部取り分けてきちゃいました」と言って供すると、喜んでらっしゃいました。


J: ありがたいですよね。

K: ここが難しいところなんですけど、中には、「絶対に自分で取り分けたい」という方もいらっしゃるんですよ。そこの見極めというのは、もう、感覚ですよね。その辺をすばやく、一瞬にして見極められるかというのが一番大事なところだと思うんですよ。

J: 本当にそうですよね。そういう繊細な感覚を持ってくださるお店だと、こちらも居心地が良いですね。私の立場から考えてみると、劇場もレストランもわざわざお客様が足を運んできてくださる場所。お客様から大切なお時間を頂くわけですから。夢を見させてくれて、現実を忘れさせてくれるような、楽しい時間を過ごせる空間でなくちゃいけないと思うんですよね・・・。そんな場所だからこそ何度も行きたくなってしまうみたいな。


純名りさ Risa Junna
大阪府出身。1990年、宝塚歌劇団に首席で入団。 在団中にはNHK朝の連続テレビ小説「ぴあの」に主演、主題歌も歌うなど、常に話題を振りまき、トップ娘役に就任後ミュージカル「How To Succeed」を最後に退団。その後、テレビ、映画、舞台、CMと幅広く活躍している。昨年はCDアルバム「ミスティ・ムーン」を発売するなど音楽活動の幅を広げ、女優、そして、ヴォーカリストとしての新境地を開拓している。
http://www.risajunna.com

 

 
  Ristorante LUPINA
シャンデリアの煌きと鉄板イタリアンの饗宴
青山・骨董通りの中ほどを折れてすぐのビルの地階に、シャンデリアが非日常感を演出する瀟洒なリストランテがある。開放感あふれる厨房で指揮をとるのは、「レストランファロ資生堂」で活躍後、恵比寿の「ポルセッコ」で、“鉄板イタリアン”とも言える独自のスタイルを切り拓いた栗本清シェフ。
ラグジュアリーな内装とは裏腹に、店を貫くコンセプトは“サステナビリティ(継続)・レストラン”。都市生活者に不足しがちな野菜を使い、身体に優しく、毎日でも食べ飽きない料理を提唱する店なのだ。ワインもナチュラル志向なものを揃え、料理とのヘルシーなマリアージュが体の内から満足をもたらしてくれる。
東京都港区南青山5-11-10 南青山511ビル地下1階 tel 03-6411-0075  www.lupina-aoyama.jp
Lunch time 11:30~15:00(L.O 14:00)  Dinner Time 18:00~23:30(L.O 22:00)
年中無休(年末年始除く)
 


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