TOP > Food > 舌鼓 > Vol.09 中目黒 土山人×奥村愛
今回の「舌鼓」の舞台は、東京・中目黒。

FERIC編集部が紹介するのは、真摯な蕎麦を供すると関西で評判の高い『土山人』が、昨年オープンした東京初進出店。『土山人』に和食、そして一品料理とお酒を愉しむのが好きだと語るヴァイオリニスト 奥村愛さんを招き、話を伺った。


  このお店のように、木の温もりのするところってとても好きなんです。自然のものを使っていて、緑も多いですし。器の陶器も元々は土、自然に近いものという感じがするので、すごく落ち着きます。また、ソファーにテーブルでお蕎麦を食べるというのが、家で食事をするような、家庭的な雰囲気がして素敵だなって思います。

  お蕎麦は好きなんですが、昔は苦手だったんですよ。お蕎麦とうどんがあったら、絶対うどんを選んでいたんですけど、5、6年くらい前に、長野でコンサートをした時にお蕎麦を食べたんです。私が食べたお蕎麦は、コンサートを手伝ってくれたボランティアのおばちゃん達が作ってくれた手打ちのお蕎麦だったんですけど、それがすごく美味しくて。それ以来、好きになりました。

  お酒も好きで、お蕎麦屋さんは一品料理が豊富なのも好きなんです。一つの料理をどかっと食べるよりも、色んな料理をちょっとずつ食べて、お酒と会話を愉しむのが好きですね。




  外に食事をしに行くというのも、最近はそんなにないんです。コンサートの打ち上げとかはありますけど、友達と飲みに行くというのも、2ヶ月に1度くらい。

  友達と飲む時は、お互いの近況報告をしたり穏やかな感じです。外で食事をする時、料理を食べた瞬間「ああ、美味しい!」って思える時が一番幸せだなぁって感じます。友達と食事に行くにしても、あんまり大勢で行くのは好きではないので、静かな雰囲気のお店で、2、3人で近況報告したり、コンサートの打ち上げで、疲れを癒す意味合いも含めて静かにお酒と食事を愉しむというのが、自分にとっては、ストレス発散になるんだと思います。

  お酒と食事でストレス発散と言うと、うわーっと騒いでるイメージありますけど、こういうお店でお酒を飲みながら食事をする事って、現実からちょっと離れられる感じがするんですよね。そんな食空間で大切な人と過ごすというのが、ストレス発散になるのかもしれません。お酒も料理もお店も、人と人との距離を縮めるものだと思うんです。

  だから、落ち着いた空間で美味しい食事と美味しいお酒を愉しめるお店は大切だなって感じます。お酒が入ってるから話せる事というのもあると思いますし、うわーって飲むのも若い気がしますし、もう少し大人の食事と言いますか、落ち着いてリラックスして食事を愉しみたいんです。





奥村 愛
Ai Okumura

4歳よりヴァイオリンを始める。7歳までアムステルダムに在住。桐朋学園大学ディプロマコースで学ぶ。94年全日本学生音楽コンクール中学生の部第1位、99年日本音楽コンクール第2位、他受賞・入賞多数。これまでに国内の主要オーケストラとの共演をはじめ、ビエロフラーヴェク指揮プラハ・フィル、P.ガロワ指揮シンフォニア・フィンランディア、ヴェトナム国立交響楽団等多くの楽団と共演。また富士山河口湖音楽祭等にも出演。
02年『愛のあいさつ』でCDデビュー。最新CDは08年3月発売の『ポエジー』(エイベックス・クラシックス)。
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    土山人 ~自由な感性が息づいたモダンな店内で食す、現代的な荒挽き蕎麦~

  店内は自然素材を多用したモダンな空間。コンクリート塀で目隠しされた美しい坪庭には、グリーンと陶片が程良く配されており、何とも言えない風情が漂う。 「荒挽き田舎」は、ふんわりとした旨みが後から立ち上ってくるのが特徴だ。蕎麦と共に素材にこだわるつゆはバランスのいい味わいの中に程良い甘みがあり、細切りの繊細な蕎麦の風味を殺さず、豊かに共鳴し合う。別添えの粗塩と交互に頂くのもいいだろう。
  一品料理の充実も嬉しい。この空間に貫かれている自由な感性が形造る世界観そのものがただただ心地いい。そんな風に思える一軒である。

住所:東京都目黒区青葉台3-19-8  TEL:03-6427-7759  営業時間:11:30AM~2:30PM/6:00PM~11:30PM(L.O.10:30PM)
休:月曜  席数:42席  カード使用可
昼御膳¥1,500・¥3,200、 夜御膳¥4,800・¥6,000(要予約)、 グラスワイン¥700~ほか
 




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