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服を衝動買いする前にするべきこと


  昔から「女性は靴を磨かない」といわれていたのですが、テレビのニュースなどを見ていると、シューケアをする女性が最近は増えたという話です。靴を磨くだけでなく、クリーニングしてくれる店が人気らしく、ブーツまで洗ってしまう女性もいらっしゃるとか。それもこれも9月のリーマンショックに始まる金融危機、不況のせいかもしれませんが、モノを大事にするというのは好不況とは関係なくよいことだと思います。


  女性の場合は、流行の度合いも早いですし、なにより化粧が変われば、着る服も靴もバッグだって、変わってしまいますから、モノを長持ちさせてもなかなか使えない場合もあるでしょう。しかし、男性の場合はこのコーナーで何度かいいましたように、流行の変化は大きくありません。しかもこんな時代ですから、お洒落をしたいと思ったときでも、すぐに新しいモノに飛びつくのではなく、ご自身のワードローブ、つまり持ち物をよく点検してみる、実はこれもお洒落の近道だと思います。

  スーツはどんなものを持っているか? シャツはこれなら今着られるけれど、これはもう時代遅れとか。そんなことを考えながら、服や小物を実際に、着てみましょう。人間、年月が経てば、好みも体型も変わっていくものです。現在の趣味にあまりに合わないと判断できるものは、骨董的な価値が出そうなものでない限り、処分するか、倉庫にでも(あればですが)収納してしまいましょう。サイズが合わなくなったもので、修理不能なものも同様です。お洒落の本質は、「サイズ」も、それを着る「気分」も、着る人にいかにフィットして似合っているか、ということですから…。

  スーツを着たら、袖の長さや太さは適当か? 胸元のラペルの返りはきれいか、どうか? こんなところは確実に押さえましょう。もちろん変なシワなどは、もっての外のことです。そんな場合は信頼のおけるリフォーム店やクリーニングショップに持っていって、相談を。どんなに流行りのブランドであっても、フィットしていない服はただの布きれでしかありませんし、わざと加工しているものでない限り、服のシワを気にしない人はお洒落にはなれません。

  ここでフィットに関して一言。日本人の男性、特に年配の方は服で体型を隠そうと、大きめを選ぶことが多いようですが、ジャストかやや小さめを選ぶと、お洒落に見えます。イタリア人はピタピタになるように確実に1サイズ小さめを選びますし、英国人のスーツ選びもそんな感じです。いずれにしても、今は服をコンパクトに見せたほうが断然スマートに見えます。そんな服を堂々と着こなす、こんな心構えもお洒落に見せる重要なポイントに違いありません。おっと、忘れていました。服を点検するには「鏡」は重要なギアです。自分のクローゼットか玄関先にぜひとも全身が見える鏡を。自分のスタイルに自信を持つには、まず自分をきちんと見つめるところから始まります。

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