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何故か、アメリカが元気だ!


 

 ファッションの世界では不況になるとトラッドやアメリカンカジュアルは強いと言われる。日本の場合、これまで誰もが経験したことがないような不景気と言われているので、それが正しいことかどうか誰も判断できないが、トラッドやアメカジの本場、アメリカのブランドに変化が見られる。すでにこのページでお伝えしたが、J.CREWはここ数年メンズが大きく変化、GQ/CFDA賞の今年度メンズウエア部門にノミネートされている。私の大好きなL.L.ビーンも、デザイナーに「ローグスギャラリー」のデザイナー、アレックス・カールトンを迎え「シグネイチャー」ラインを本国では今年デビューさせる予定で、モチーフはあのビーンブーツなどと言われているから今からドキドキだ。伝説のブランドの「GANT」、その昔はシャツ専門のブランドで、日本ではVANやJUNと契約していたが、ストックホルムを本拠地に置く会社に買い取られ、アメリカ、ヨーロッパで多くのショップを元気に展開していた。その「GANT」が元バーグドルフ・グッドマンの敏腕バイヤーで今は自身のブランドを展開するマイケル・バスティンと組んで、この秋、新しいラインをプロデュースした。すでにショー形式での発表があり、ネットで見たが、アメリカらしいブライトな色目を使ったカジュアルなコレクション。これも期待できそうなブランドだ。日本と違って、何故かリーマンショックで景気後退の引き金を引いたアメリカはファッションにおいては、元気だ。

 

 

何故か、アメリカが元気だ!

 

 

 アメリカを代表するダイレクトマーケティングブランドのランズエンドからも新しい「LANDS’ END CANVAS(ランズエンド キャンバス)」がデビューするという情報が昨年暮れ入ってきた。

 

 ランズエンドには思いがある。昔から注目していたブランド。知り合いのニットメーカーから商品を見せてもらい、作りの良さ、発色の美しさに惹かれたし、その頃、アメリカに行くと、多くのビジネスマンがランズエンドのブリーフケースを持ち、飛行機に乗り込む姿を見てきたからだ。日本に上陸してきてからもずっと商品を見てきた。数年前には本国のウィスコンシン州ダッジビルの本社にも伺い、取材する機会を得た。アメリカの経済誌『FORTUNE』で、働きたい会社100にも選ばれたこともあり、ダッジビルの環境の素晴らしさ、働く人々の熱さや優しさに触れ、とても良い会社だと思った。作られる商品もさることながら、顧客の受注を受けるオペレーターの人の正確な商品知識と本国の顧客からの絶大な賛辞、非常に人間的な会社だと感心した。最近では日本人の体型にあった「立体Xシャツ」を開発、日本でも売り上げは好調だと聞いている。ランズエンド本社の人間性、熱意は完全に日本にも引き継がれている。

 

 

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