
真新しいわけではないのに、最近、ジャガーXKが気になってしょうがない。

XKには、その高性能版であるXKRも含めて、国内外のさまざまなシチュエーションでずいぶんと乗ってきた。乗る度に、良くなっていく。まるで、惹かれ合う男女のように、乗る度にいいところに気付かされ、早くまた次に乗りたくなる。こういうクルマは、あまりない。
XKの魅力とは、何だろう。
まず、第一にスタイリング。伸びやかで、流れるようにエレガント。停まっていても、舞っているようだ。
次に、モダンな意匠のインテリア。インテリアには、さまざまなチョイスが用意されているが、現代的なマテリアルを選ぶと、清々しい。

そして、もちろん、走りっぷりの良さ。速く、快適だが、すべてのタッチが優しく、柔らかなところがジャガーらしい。柔らかいのに、芯があって、節度もある。専門用語で、“ロール”と呼ぶコーナリング時の傾きもけっこう発生するが、とてもよく躾けられているから、ナチュラルで気持ちいいくらいだ。ドイツのクルマは正反対で、あまりロールさせず、キチキチッ、ビシビシッとキメてくるが、ジャガーは違う。ふんわり、ゆったり、ホンワカ。
2年前にフルモデルチェンジした時に、XKは何から何まで変わった。特に著しかったのはシャシーで、アルミニウム製に改められた。アルミは、軽く、剛性が高い。つまり、よく走り、しっかり走る。
狙い通りになった。トランスミッションも、ジャガー初のパドル付き6速ATとなり、こちらも設定とチューニングが抜群だ。
それまでのジャガーは、エンジニアリング的には必ずしも最新とは呼べないものを活用していたが、フルモデルチェンジでそれらを一掃した。
何から何まで新しくなったから、その良さを僕らはようやく今になって十分に咀嚼しながら受け止めることができているのかもしれない。ちょうど、今が旬の乗り頃になったような気がする。
速くて、エレガントで、モダンで。XKに乗って、サマになるオヤジになりたいものです。