TOP > Car > Car コンシェルジュ 金子浩久 > 世界の果てまで走っていける「アウディ A6オールロードクワトロ」

アウディ A6オールロードクワトロ


  A6オールロードクワトロは、アウディA6アバントというステーションワゴンに、最低地上高調整機構付きのエアサスペンションを組み込んだ、最もヘビーデューティなモデルだ。


最低地上高調整機構は、ドライバーが運転しながら手元のスイッチで最低地上高を140ミリから200ミリまで4段階に変えることができる。このシステムが、他のステーションワゴンとA6オールロードクワトロとを決定的に違えている。刻々と変わりゆく舗装や路面状況に合わせて、スイッチひとつで最低地上高を変え、前進することができる


アウディ A6オールロードクワトロ


  たとえば、舗装が切れた時には、「オールロード」もしくは「リフト」モードを選ぶ。たった60ミリの違いと侮ることなかれ。


  エンジンやトランスミッションなどの重要なものを障害物から避けることができる。そんな過酷なところは日本にはないかもしれないが、雪山や砂の柔らかなビーチに足を踏み入れる際などに、運転しながら最低地上高を上げることができるありがた味は経験者にしかわからないだろう。


  タイヤはグリップしているのに雪道でスタックしてしまう場合のほとんどは、アンダーフロアが雪につかえてしまって、その抵抗で前にクルマが前に進まなくなってしまうためだ。いわゆる“亀の子”状態。最低地上高を上げれば、雪や土、砂、岩などの障害物をクリアしながら走ることができる。


さらに、A6オールロードクワトロが賢いのは、自らの走行状態を感知して、自動的に最低地上高を調整するところだろう。


最低地上高を上げて、ラフロードから再び舗装路に戻ってくるとする。A6オールロードクワトロは、時速80キロに達すると15ミリ下げる。120キロになるとさらに20ミリ下げて、ノーマル用の155ミリまで自動的に戻してくれる。


アウディ A6オールロードクワトロ アウディ A6オールロードクワトロ


  サスペンションは圧力を掛けられた空気で支えられているので、重い荷物をたくさん積み込んでも姿勢をつねにフラットに保ってくれるし、「オールロードモード」では、乗り心地をマイルドに保つよう自動的にセッティングを変更してくれる。まるで、頭脳を持った魔法の絨毯のようなクルマだ。


アルミ製の荷物仕切り板など、多くの荷物を積んで長距離を行くことを真剣に考えて設計されている。3.2リッターV6、あるいは4.2リッターV8エンジンはパワフルでレスポンスに優れ、6速ティプトロニックATの操作性も良い。「クワトロ」とは、アウディ独自の4輪駆動システムのことだから、車名の通り、道が続く限り、世界の果てまで走っていけるクルマだ。


アウディ A6オールロードクワトロ


モータリングライター 1961年東京生まれ。自動車と自動車にかかわる人間についての雑誌記事や単行本を執筆している。主な著書に、『10年10万キロストーリー』(1~4)、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、『ニッポン・ミニ・ストーリー』、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』などがある。ここ数年、外国を長距離クルマで走ることが続いている。2003年には、東京からロシア・ウラジオストクを経由してポルトガル・ロカ岬まで自らのトヨタ・カルディナでユーラシア大陸を横断。2006年には、ダイムラー・クライスラーのイベント『パリ~北京』に参加し、ロシア・エカテリンブルクから北京までメルセデスベンツE320CDIで走破。2007年に引き続き、今年も、『トランスシベリア2008』に出場し、総合10位、クラス9位で完走した。
http://www.kaneko-hirohisa.com/

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