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グラスヒュッテ・オリジナル『セネタ・シックスティーズ』


  近年、ラグジュアリーブランドの参入もあったりして、虚仮威しのような、ゴテゴテと飾り立てたような高級ウォッチばかりで辟易していて、気が付けばシンプルなロレックス・オイスターやオメガ・スピードマスター、1960年代の二針式のユニバーサル・ジュネーブ、漫画家の松本零士氏より贈られた古いブライトリング・ナビタイマーばかりに手が伸びている。パーティシーンでは、これまたシンプルなパテック フィリップ・カラトラバを使うことが多い。滅多やたらには、最新ウォッチにときめくことがなくなっている。

グラスヒュッテ・オリジナル『セネタ・シックスティーズ』  そこで昨年の世界時計博「バーゼル・ワールド2007」で、強く印象に残ったのが、ランゲ & ゾーネ、そしてグラスヒュッテ・オリジナルの、質実剛健さが感じられるシンプルかつシックなジャーマンウォッチでした。  

  写真のアイテムは、バーゼル・ワールド2007で発表されたグラスヒュッテ・オリジナルの『セネタ・シックスティーズ』に追加され、このたび発売となったホワイトゴールド・ケース仕様。コレ、写真ではよくわからないかも知れませんが、1960年代にドイツ・グラスヒュッテ地方で作られたビンテージウォッチをモチーフとした、なだらかな曲線を描くドーム風防を備えています。

  けれど単なるビンテージの再現ではなくて、前面はドーム型、背面は台形型といったように、現代の技術によりクラシックとモダンを融合させるという小技を利かせてあるのです。素材はビッカース硬度で、ダイヤモンドに次いで硬いサファイア(人造)。  

グラスヒュッテ・オリジナル『セネタ・シックスティーズ』  グラスヒュッテ・オリジナルの歴史や技術力の高さなどは、時計通ならご存じの通り。プレスリリースに沿った美辞麗句の数々ならば、雑誌媒体にもwebにも腐るほど出ている。だからここでは端折りますが、そんな史実やムーブメントに極美なスワンネック緩急針を備えるといった蘊蓄は不要。とにかく自分自身は、このフォルム、テイストが大好き。家族が許すならば、今日にでも買いに行って着けたい。ボレッリのシャツに合わせたい。きっと愛車メルセデスS600を駆るときの、腕に巻く精密計器、よき相方となることは間違いない。S600は、すましたフェイスながらも、12気筒・6000CCエンジンから400馬力以上、時速300㎞を軽く叩き出す化け物だが、その加速はシルキーそのもの。『セネタ・シックスティーズ』に自分は、愛車の佇まい、深遠なる魅力を重ね合わせている。

グラスヒュッテ・オリジナル『セネタ・シックスティーズ』 グラスヒュッテ・オリジナル  セネタ・シックスティーズ

ケース径39.2㎜。厚さ11㎜。時・分のみを表示する2針式。サファイア風防。Cal.49-12(2万8800振動。インカブロック耐震構造。スワンネック・スプリング。グラスヒュッテ仕上げ。4分の3プレート。18Kチラネジ付きテンプ。ゴールドシャトン。18石)。18KWGケース&尾錠。ネイビーアリゲーター・ストラップ。価格181万6500円。

(問)スウォッチグループジャパン
グラスヒュッテ・オリジナル・ブティック銀座
℡03-6254-7266

松田朗 Akira Matsuda

ジャーナリスト まつだ あきら。東京ニュース通信社特派記者。雑誌『TVガイド』、『TVTaro』、『TVBros』などに携わる。1992年より雑誌『Begin』で時計の広告タイアップ記事を、『モノマガジン』、『VOCE』、『POPEYE』、『クールトランス』の時計特集などを。現在『時計Begin』での新連載、『ブルータス』などでの時計特集を準備。正規時計店の広告、タレントを起用するイベントなども手掛ける。