TOP > Watch > ネクスト・ウォッチ カタログ > ハミルトン【ジャズマスター スケルトン】

ハミルトン【ジャズマスター スケルトン】


  金融危機が叫ばれ消費動向が落ち込む現在の日本にあって、価格と品質のバランスにすぐれるハミルトンの評価が、日増しに高まっているように感じます。実際に正規取扱店に伺ってみても「人気がある」という声を耳にします。


  そんなハミルトンの創業は、1892年に遡ります。ペンシルバニア州ランカスターに創立されたハミルトン社は、力強い経済発展、2度の大戦を経て大国へと成長したアメリカの輝かしい歴史を支えてきたブランドです。(現在の本社所在地はスイス・ビエンヌ)

ハミルトン【ジャズマスター スケルトン】  設立間もなくハミルトンは、安全かつ迅速に全米の鉄道を運行させるための高精度懐中時計で一躍名をあげます。これが航空界にも伝わり、1918年にアメリカ初の航空便飛行の公式計時を担うことに。その後、北極上空の初飛行成功(1926年)を支え、マリンクロノメーターを開発。エルビス・プレスリーも愛した史上初の電気式腕時計〈ベンチュラ〉を発表(1957年)。続けざまに世界初の発光ダイオードにより時刻を赤くデジタル表示する〈パルサー〉を生み出しました。当時、フォード大統領をはじめ著名人が非常に高価なパルサーを争って買い求め、現在でも〈ベンチュラ〉と並び、高感度なアンテナを持つ洒落者たちを魅了し続けています。

  このように数々のエポックメイキングな歴史を語ることもできるハミルトンは、2007年の世界時計博ことバーゼル・ワールドにおいて、同社初となるコンプリケーション『ジャズマスター・ラトラパンテ』を発表して話題を呼びました。

  クロノグラフ針を2本備え、2走者のラップタイムを計測できるエレガントでスタイリッシュなこのアイテムは、驚異的な低価格設定ということもあって、世界限定数の366本が瞬時に完売となってしまったのです。

ハミルトン【ジャズマスター スケルトン】  そして今春のバーゼル・ワールドで、ハミルトンが発表したのが写真のアイテム。両面スケルトンケースを採用した、ハイエンドモデル『ジャズマスター スケルトン』です。クロノグラフの複雑な構造のすみずみまでを堪能できる、本格機械式時計の愛好家のためのアイテムに仕上がっています。

  オールスケルトン仕様の機械式クロノグラフゆえ、上代価格を100万円オーバーと予想したのですが、国内税込価格で50万円台と聞き2度びっくりしました。

  このモデルは、クロノグラフの核心部を露出するといったアプローチにおいて、ムーブメントそのものがデザインの主体ともいえるのです。このため構成パーツを限界までそぎ落とすことで、メカメカしさをエレガントに変換させています。世界最大規模のムーブメントファクトリーであるスウォッチグループ傘下のETA社の〈ETA2894 S2〉が搭載され、このムーブメントは、『ジャズマスター スケルトン』でハミルトンが初採用することになったそうです。

  外装も特筆もので、クラシカルで美しいブルースチール針や、パーツごとに美しい仕上げが施されています。それらとは相反するように、ムーブメントのメタル部分の無機質な質感と、3つの異なるサブライヤルが織り成す立体的なパターンが、都会的な遊び心を演出。調和の取れたデザインは、シックでありスタイリッシュ。ハイエンドウォッチの常識を超える独創的なスタイリングは、複雑時計を所有するステータス感と同時に、ワンランク上の高品位な個性やハイファッション性をもたらしてくれます。

  歴史も実力もネームバリューもあるブランドによる魅力溢れる珠玉の逸品。驚愕リーズナブル・プライスも魅力ゆえ、時計ファンはぜひとも注目していただきたいです。



ハミルトン
ジャズマスター スケルトン

Ref.H32676791。ETA2894 S2を搭載。自動巻。SS(ステンレススティール)ケース。サファイア風防。10気圧防水。ケース径42mm。ブラッククロコ・ストラップ。59万6,400円。世界限定1000本。2008年12月発売。
(問)スウォッチグループ ジャパン
ハミルトン事業部
Tel.03-6254-7371
松田朗 Akira Matsuda

ジャーナリスト まつだ あきら。東京ニュース通信社特派記者。雑誌『TVガイド』、『TVTaro』、『TVBros』などに携わる。1992年より雑誌『Begin』で時計の広告タイアップ記事を、『モノマガジン』、『VOCE』、『POPEYE』、『クールトランス』の時計特集などを。現在『時計Begin』での新連載、『ブルータス』などでの時計特集を準備。正規時計店の広告、タレントを起用するイベントなども手掛ける。