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IWCヴィンテージ・コレクション〈ポートフィノ〉


  カルティエやランゲ&ゾーネ、IWCといったリシュモングループ傘下の高級時計ブランドによる年に一度の新作発表会「国際高級時計見本市(Salon International De La Haute Horlogerie; SIHH)」がこのほど、スイス・ジュネーブで催されました。これまで春に開催されたSIHHは、今年から前倒しとなり1月に実施。今季はジャガー・ルクルト、パネライ、ダンヒル、モンブラン、ボーム & メルシエなどの既存ブランドに加えて、高級腕時計を発表したラルフ ローレンが新たに加わり、計17ブランドがブースを構えました。「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」という異名を誇るカルティエが、時計のマニュファクチュールとしての威信をかけ、伝統を継承しつつ革新的なトゥールビヨン等のコンプリケーションを発表し来場者の目を釘付けにしました。


「伝統の継承と革新性」という視点から、SIHH2009においてIWCは、コンプリケーション「ダ・ヴィンチ」、独自に開発してきた機械式水深計をブラッシュアップして搭載した「アクアタイマー・ディープ・トゥ」に、時計メーカーとしての誇りがあらわれていました。また、ダーウィン生誕200周年にちなみ、売上の一部をチャールズ・ダーウィン財団に寄付する「アクアタイマー・クロノグラフ GALAPAGOS ISLANDS」も注目。このモデルを通した寄付金は、ダーウィンが進化論の着想を得たとされるガラパゴス諸島の環境を保全するために使われるそうです。

  こうした話題性に溢れたIWCのブースを訪れ、今回個人的に目を奪われたのが、12個のヴィンテージ・コレクションのなかの一つで、12時位置に月の位相を表示するムーンフェイズ機能を備える写真の「ポートフィノ」でした。IWCの歴代ポケット・ウォッチへのオマージュが込められ、アンティークウォッチに通じるダイヤルデザインや、先端に円形の飾りのある古典的なブレゲ針、丸みを帯びたエレガントなケースなど、各ディテール、その全体像に魅了されてしまいました。

  新開発のIWC製Cal.(キャリバー)98800が搭載され、IWCの典型的なポケットウォッチ・スタイルを、現代に継承する特徴を有しています。

  IWCの販売で国内トップクラスを誇る正規時計店「BEST新宿本店」。同店を経営する母体企業の代表取締役社長の石田憲孝氏も同モデルを気に入られ、個別ブース内であらゆる角度から眺めたり、手にされたりしていたのがとても印象的でした。


【IWC ヴィンテージ・コレクション〈ジュビリー〉】
ポートフィノ・ハンドワインド Ref.IW5448
1984年にお目見え、一世を風靡したIWC〈ポートフィノ〉初代モデルへのオマージュ。ニッケルシルバー製4分の3プレート、長い緩急針〈ジョーンズ・アロー〉を備える。Cal.98800(毎時/1万8,000振動)。パワーリザーブ46時間。手巻き。無反射コーティングされたサファイア風防。同素材によるシースルー・バック。3気圧防水。ケース型46㎜。厚さ11㎜。18KWG(ホワイトゴールド)及び18KRG(ローズゴールド)ケース。18KWGケースにはダークブラウン・アリゲーターレザー・ストラップ。18KRGケースには、ブラウン・アリゲーターレザー・ストラップ。価格241万5,000円(18KWGケース)。217万3,500円(18KRGケース)。今夏発売予定。
(問)IWC
℡:03-3288-6359

松田朗 Akira Matsuda

ジャーナリスト まつだ あきら。東京ニュース通信社特派記者。雑誌『TVガイド』、『TVTaro』、『TVBros』などに携わる。1992年より雑誌『Begin』で時計の広告タイアップ記事を、『モノマガジン』、『VOCE』、『POPEYE』、『クールトランス』の時計特集などを。現在『時計Begin』での新連載、『ブルータス』などでの時計特集を準備。正規時計店の広告、タレントを起用するイベントなども手掛ける。