シャトー・ラトゥールのブドウ畑を訪問すると名前の由来ともいえる薄いベージュ色の塔が出迎えてくれます。大昔は海賊の襲撃を監視する要塞があり、その名残が畑の区域名になり、シャトーの名前となってゆきました。 ボルドー地方のワインはブルゴーニュ地方とはワイン造りに大きな違いがあります。赤ワインの場合5種類のブドウ品種を使用する事が許可されており、混ぜ合わせる事で複雑な旨味や香りが産まれます。カベルネ・ソーヴィニヨンがワインの骨格を形造り、カベルネ・フランがエレガントなしなやかさを、そしてメルロがフルーティーな味わいを構成。畑ごとに、品種ごとに収穫、発酵されたワインを試飲してシャトー・ラトゥールとなる原酒が選ばれ、ブレンドされたのちオークの樽の中で18ヶ月熟成させます。シャトー・ラトゥールをお飲みになる時には大西洋に向かってとうとうと流れるジロンド河と下層の粘土質土壌そしてギュンツ氷河期の砂利を想像しながらワイングラスに向き合うと、ブドウ畑の土や砂利の香りがはっきり感じられると思うのです。神が与えた土地の香りを探してみてはいかがですか? |