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時代を超えたアート・オブ・シャンパン「ベル・エポック」
美しい泡がグラスの底からふつふつと立ち昇る。耳元にグラスを近づけるとぱちぱちと泡がはじけ心地良い音色。世界中で生産されるワインの中で一番美しいのはパリの北東で生まれるシャンパーニュ。
世界中のワイン生産国では品質の良いスパークリングワインが造られているけれど、味わいの繊細さや複雑な香り、口中に残る深い余韻はシャンパーニュに太刀打ちできません。特に豊かで決め細やかな酸味はフランス最北の生産地域だから可能な事。
その素晴らしいシャンパーニュの中でも気軽にはコルクを抜けない高貴なる1本があります。
「ベル・エポック」―――’’よき時代’’という意味です。
1902年、アール・ヌーヴォー華やかなりし頃、エミール・ガレが描いたアネモネがボトルにデザインされています。パリとアメリカの市場で大人気となりましたが、いつのまにか忘れさられてしまったフラワーボトル。
その復刻版が発売されたのは1970年の事でした。発表の会場となったのはパリのナイトクラブ。そして音楽は意外にもジャズ。スイング・ジャズのピアニストでバンドリーダーのデューク・エリントンの70歳を祝うパーティーがベル・エポックのお披露目の場となったのです。
1899年ワシントンD.C.でホワイトハウスの執事の息子として生まれたデューク・エリントン。小学生の時からピアノを習い、1916年にピアニストとしてデビューしました。1927年にはハーレムの高級クラブ「コットン・クラブ」と契約。「A列車で行こう」「サテン・ドール」など多くの名曲を残した歴史的人物です。
日本でジャズが愛されているようにパリにも熱烈なジャズ愛好家がいるのです。そして彼の功績はフランス政府にも認められ、1973年にはレジオンドヌール勲章を授けられています。
ベル・エポックが芸術家や音楽家、華やかな業界の人々に愛飲されるシャンパーニュである理由が分かります。グリーンのボトルに入っているのは淡い黄色のシャンパーニュ。透明なボトルにはサーモンピンクのシャンパーニュ。ダイヤモンドをプレゼントされるよりベル・エポックのロゼをいただく方が嬉しいと思うのです。
瓶口に澱を集める作業(ルミュアージュ)1
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女性ソムリエールの草分け、主に中部地区を中心として活動。現在は、数少ない女性シニア・ソムリエールとして活躍。フランスシャンパーニュのシャンパーニュ協会から「シャンパーニュ騎士賞」授与。 現在も毎年、フランスを中心に世界中のワイン畑を回る。ソムリエールとして講演、講師、テレビ、ラジオ、雑誌等の活動を行う。ワイン&フレンチレストラン「サミュゼ・アン・トゥラヴァイヨン」オーナー。‘05年春より“サンヴァンサン・ワインスクール”を主宰。
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