年が明けても、ニッポンは、どうも元気がないですね。そんな中でも、大きな商いじゃないかもしれないけれど、元気なお店があります。それは、オーナーがきちんと目を配って作っているお店。今回は、そういうパティシエのお菓子をご紹介しましょう。
まず、廣野かおりさんとお母様のおふたりだけで手作りしているお菓子屋さん「Kaori Hirone」(カオリ ヒロネ)。2008年にオープンした目白にあるお菓子屋さんです。
思わず通り過ぎてしまいそうな5坪ほどのコンクリート打ちっぱなしのパティスリー。中に入ると、ピンクと黄緑色のきいた美しく凝ったインテリア。ケースには、種類も数も少ないフレッシュケーキや、焼き菓子、クッキーなどがジュエリーケースの中の宝石みたいに並んでいます。愛情をこめて作られた箱入り娘みたいなお菓子、といえばいいのでしょうか。
「できるだけ無農薬で国産のフルーツを、完熟のおいしいときに使う。卵も納得のいくものを探しました。やはり素材はとても大切ですから。あと、その日作った焼き菓子のおいしさにまさるものはないので、基本的に作りおきはしないんです」
だから、お店がオープンしたてに、すべてのお菓子が一度に並ぶことはない。かおりさんとお手伝いなさるお母様と2人で、お店の奥の厨房で焼いては、ショーケースに並べているのです。
そこまで徹底して作るお菓子は、本当においしい! 日本でいちばん好きだと思います……。できればちょうどいい具合に熟した大きないちごが乗っているショートケーキや、ロールケーキ、ゆずのコンフィチュール入りのレアチーズケーキなどのフレッシュなお菓子をぜひ食べていただきたいのですが、取り寄せは無理なので、こちらもおいしい焼き菓子をどうぞ!
焼き菓子も、卵や自家製のコンフィチュールにしたフルーツの風味が生きています。大のお気に入りは、有機栽培のグリーンレモンを使った甘酸っぱいレモンケーキ。グリーンレモンの自家製コンフィチュールをバターケーキの生地に焼きこみ、上にはレモンのアイシングをかけた人気の焼き菓子です。
また、ギフトに気がきいているのは、バラの小箱の焼き菓子。ピンクのかわいいボックスに、一口サイズの花形の焼き菓子が10個詰まっています。プレーンとココア味の2種類で、ココア味のほうは、自家製コンフィチュールのシロップを使ったブルーベリーと抹茶の砂糖がけの2種。いただくと、そのしっとりとしたやわらかいおいしさに思わず、顔がほころびます。凝ったラベルのデザインのピンクの箱は店舗のデザインも担当した吉谷さんの作。これ、ギフトに差し上げたら喜ばれることうけあいです!
● Kaori Hirone 東京都新宿区下落合3-20-1 Tel/Fax:03-5996-3300 kaori_ori@dream.ocn.ne.jp バラの小箱の焼き菓子(1箱10個入り)\3,500 レモンケーキ \470 |
● メゾン ロミ・ユニ 東京都目黒区鷹番3-7-17 Tel:03-6666-5131/Fax:03-6666-5810 http://maison.petit.cc/ ゆずのケーク \1,500 イチゴとフランボワーズのコンフィチュール \680 |
● エーグルドゥース 東京都新宿区下落合3-22-13 Tel:03-5988-0330 Fax:03-5988-0329 冬のケークオフリュイ \1,600 ロアード・マロン \2,600 |