秋の気配が漂う今日この頃、みなさま、お元気ですか。
さて、今年は夏が短くてちょっとさびしいくらいでしたが、秋になるとおいしいものが増えるので、それはそれでまた楽しみですね。栗、ぶどう、さつまいも、じゃがいも、サケ、イクラ、ジビエ・・・・。秋ならではの素材が次々に楽しめるこの季節はまたお菓子のジャンルでいえば、焼き菓子がひときわおいしくなります。お茶の時間に、濃く淹れたミルクティと焼き菓子の組み合わせは最高。これにお気に入りの小説があれば……とても気分のいい時間になりそうです。
今回は、秋に似合う「秋の焼き菓子」をいくつかご紹介しましょう。
まずは、栗をこれでもか、というくらいいっぱい焼きこんだ秋らしい、「仏蘭西焼菓子調進所、足立音衛門の栗のテリーヌ」。ずっしりとしたケーキをスライスすると、生地の半分くらいの割合で栗が入っています。重みの理由は栗だった!?
パウンド生地は、発酵バターを使用しているので芳醇なバターの香りが立ち、栗は栗そのものを焼きこんだようにほっくりした味わい。聞けば、栗本来のおいしさを大切にするために低糖度の甘露煮にしているそう。デリケートな栗の風味と発酵バターのパウンド生地のおいしさが絶妙の組み合わせの焼き菓子だと思います。これは、京都府福知山産のお菓子です。
もうひとつのお気に入りは、北海道函館産のお菓子。
「ペシェ・ミニヨン」というお菓子やさんの焼き菓子です。このお店のオーナーは、パリに在住をした経験をし、函館にお店を構えた中澤さんというハンサムウーマン。お店にも何回か行ったことがあるのですが、住宅街の一軒家で庭のグリーンを眺めながらのティータイムは本当に心地よい時間でした。ショーケースには、作りたてのモンブランやリンゴのタルトや、季節のお菓子、定番のお菓子がずらりと並んで目移りしてしまうほどどれも魅力的。でも、それと同じくらい焼き菓子類も充実していておいしいのです。
私は、焼き菓子類は、しっかり焼きこんだものが好きなのですが、ペシェ・ミニヨンのものは、まさにそういうタイプ。その中の「ガトーボヤージュ/バトンシリーズ」の「バトン・オ・マロン」と、「バトン・オ・プルーン」。このシリーズのお菓子は、バターの量を抑えた、軽くふわふわした食感のパウンドケーキです。パウンドケーキというとどっしりした生地が普通ですが、これは軽いので甘いものは苦手という人にもおすすめ。新しいタイプの焼き菓子だと思います。
「バトン・オ・マロン」は、マロングラッセを細かく刻んで焼きこんだお菓子。中にはラム酒、焼き上がりにもほのかにラム酒の香りがしてとてもおいしいのです。
「バトン・オ・プルーン」は、生地の中にプルーンを焼きこみ、トップにもたっぷりプルーンをのせて焼き上げたもの。こちらは、プルーンの甘酸っぱさが活きた味わい。
両方とも煎茶などの緑茶、もしくはお気に入りのジャスミン茶を好みで紅茶にブレンドしたジャスミン紅茶(?)といった少し“東洋”が入ったお茶が合うように思います。
このバトンシリーズは、40cmくらいの細長ーいお菓子で見た目もユニーク。ギフトにしたらよさそう。
秋の午後や夜長にお茶、というときにおすすめのお菓子です。
■仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門