TOP > Fashion > ファッション コンシェルジュ 小暮昌弘 > 見てびっくり、履いてびっくり、脱いでびっくり

見てびっくり、履いてびっくり、脱いでびっくり


  その靴の話を始めて見たのは、ニューヨークからの情報が掲載されているウェブサイト。「歩くだけで痩せる靴」と紹介されたその靴は今までに見たことがないような衝撃的なデザイン。アフリカのマサイ族は靴を履くこともないし、腰痛を経験することがないということに着目したスイス人エンジニアのカール・ミュラーが作ったこの靴。ブランド名の「MBT」は、「マサイ・ベアフット・テクノロジー」の略。マサイ族の裸足歩行の技術が凝縮されている靴というわけだ。ブランドデビューは1998年、日本にも6年前から本格的に売られている。



  この靴を見たときに,誰でも驚くのがソールのデザインだろう。ソールは大きく丸く湾曲している。しかもかなり厚底。試着してみるとさらに驚くのが、これまでの靴では味わったことのない履き心地だ。ソールのカーブと踵部分が沈み込むことで、「自然の不安定さ」を再現。この不安定さが足の運動を助長し、しかも今まで眠っていた筋肉を鍛えるのだという。さらには全身にトレーニング効果をもたらし、関節や腰背部への負担を和らげるという魔法のような靴だ。


  この靴、販売するときには、まず始めに専門のトレーナーによってフィッティング、歩行の指導が行われる。しかも始めの1週間は1回15分程度を4回。トータル1時間の歩行から始め、徐々に慣れることを薦められる。私も15分程度試着させてもらったが、MBTを履いて立ったときに姿勢が違うことを自覚したし、お尻の下やふくらはぎの筋肉が歩くたびに刺激されていることを実感した。MBTを脱いで普段の靴を履いたときには、思わず腰砕けの姿勢になってしまったほど。それだけ“履き心地”がこれまで経験したことがないものなのだ。


 

  同ブランドのキャッチフレーズは「The anti-shoe」。デザインもさることながら、履き心地もその効果も従来のシューズの枠組みを完全に超えている。愛用している6割が女性だという。高いヒールで足を痛めることもないし、履いて歩くだけでトレーニングできるのだから、女性が目をつけないはずはない。


  この記事を読んで興味を持った方はまずは試着されることをオススメする。履き心地の違いは足が自ら語ってくれるだろう。

 

目白、麻布、駒沢、吉祥寺などの都内、東北仙台、大阪、芦屋などには「MBTウォーキングスタジオ」が。
【問い合わせ】
㈱エバニュー
TEL:03-3649-4710
http://www.swissmasai.jp