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欧州へのゴルフ出張


  夏、猛暑で蒸し暑い日本を脱出して、今年も例年のように欧州へ仕事で出かける機会に恵まれました。時期は八月中旬から九月初旬までです。この時期の欧州は初めてでしたが、経験してみて一度でファンになりました。

  毎年フランスを拠点にしながら、滞在中に行なわれる日本人会や商工会議所などのゴルフ会にお招きを受けて参加させていただいています。こちらでは、欧州各国から集まるほど大人数の貸し切りコンペの時でも、数組のプライベートゴルフでも、訪れたゴルフ場ではほとんどが手引きカートでのセルフプレーです。ご一緒した日本大使ご夫妻や日本企業の現地法人のご歴々、リタイアした七十歳過ぎの方々も皆、ゴルフクラブの駐車場へ車を停めて、トランクからゴルフバッグを下ろし、カート置き場から転がしてきた手引きカートにちょこんとゴルフバッグを載せて練習場へ直行です。そして18ホールを楽しくスループレーした後は、コンペであればメインダイニングでゆっくりと語らい、ワインと食事に舌鼓を打ちながら和やかに表彰式などを行ないますし、プライベートゴルフではクラブハウスのテラスなどで、ワインを片手に夕方近くまでゴルフ談義に花が咲きました。

  今回の時期のフランスはサマーバケーション中で、パリの街はガラガラでした。お盆の時期を過ぎると飛行機の予約状況も空いてきて料金も格安になってきますし、ゴルフ事情も、バケーションで出かけてしまったメンバーが多いため、パブリックコースだけではなくメンバーコースでも、コースはガラガラ。そのためプレー料金も超格安です。爽やかな初秋の気候の中、この時期はまだサマータイムで、しかも午後九時過ぎまで明るいので、好きな時に好きなだけのプレーが楽しめます。日本から脱出する時間の余裕がありさえすれば、ゴルフと観光を合わせたツアーやゴルフ合宿には最高の条件です。いやはやゴルフ天国を意外なところで見つけてしまいました。

  今回のスケジュールはパリでの仕事を終えた後、ウィーンでのゴルフ会に参加させていただき、そこからザルツブルグ、インスブルック、ミュンヘン、ハイデルベルグと世界遺産などの名所を見て回りながらフランクフルトまでレンタカーで移動し、そこでも数人のお知り合いの会でゴルフを満喫しました。ハプスブルグ家の町ウィーンはパリ以上に堂々とした石造建築が並ぶ立派な都でした。そして郊外へ行くとアルプスに見下ろされるコースが色鮮やかなグリーンに輝いていてとてもきれいでした。また、フランクフルト近郊のシャトーホテルのゴルフ場も箱庭のようで気品がありすばらしかったです。それもそのはず、ここはかつて華やかなりし頃の大英帝国、ヴィクトリア女王が二度も滞在したホテルだそうです。

 

  欧州の週末の生活スタイルとしては、平日に住んでいるビジネス圏のアパートから、1、2時間ほど離れた郊外の別荘で家族と過ごす方が多く、その近くにはカントリークラブがあり、ゴルフプレーをしなくても、他のスポーツやカードゲーム、ランチやディナーを楽しみにクラブハウスへ家族で訪れてクラブライフを満喫しています。コンビニやファーストフード、ファミレスなど24時間何でも便利な反面、一極集中で、忙しない日本の事情とは大違い。ゆったりとした時間の中で、受け継ぐものをしっかりと受け止めながら、大都市に集約されずに自分の故郷やホームグラウンドで、しっかりと夢を持って生きているユーロ圏の大人の世界を痛感してきた旅でした。