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セッティングにも構造改革が必要!


  現代のルールでは、クラブは14本以内と決まっていますが、歴史上それまでは何本持っても良い時代でした。どんなクラブをたくさん持っていたかというと、適材適所ということで、プレーに関して起こり得るケースに可能な限り対応できるようなクラブをそろえていたのです。

  たとえば、水の中から打ち出す時は、水の抵抗を軽減するためにフェース面にシャワーヘッドのように穴があいたクラブや、馬の足跡からかき出すためには、耳かきのような形でフェースがボールの直径ぐらいしかないクラブなど、トラブルショットのための専用クラブや、一般ゴルファーが苦手とする100ヤード以内でも、いつもの通りのフルスイングをしてもグリーン近くまで小刻みに打ち分けられるほど、細かいロフト設定になったクラブなど様々なものがありました。つまり、用途に応じたクラブ全てを持ちたかったわけですが、上流階級でキャディを複数雇える人ほど本数を多く持てたので、これは不公平ですし、持つ本数にもキリがなくなってしまったので14本に規制されたわけです。

  会社組織でも仕事の種類別全てに専任の人材を配置することが可能であれば理想的だと思うのですが、そう簡単にはいかないはずです。限りある雇用者の中で、創業時は部署ごとに一般的な配置をすると思われますが、時が経てば仕事のバランスに合わせて理想的な配置に人数や内容を変化させていくのではないでしょうか。仕事が少ないところは合理化されるでしょうし、忙しいところには人材を補充するはずです。

  定員が14本と決まっているゴルフですが、ドライバーからパターまでメーカーが推奨している画一的なセッティングは一つの基本に過ぎません。ゴルフのキャリアが長ければ長いほど、そのプレーヤーの特徴を活かすセッティングがもっと他にあるはずです。その人それぞれのプレースタイルや目的に合わせたセッティングにアレンジできれば、もっとスコアメイク良くプレーができるはずなのです。

  以前、マスターズを攻略しようとドライバーを2本入れたフィル・ミケルソンの例もありますが、プロの場合は、毎週コースが変わるわけですから、当然、コンディションや戦略に合わせて、その用途や天候ごとに入れ替えをしながら14本のクラブセッティングを考えています。

  一般ゴルファーこそ、用途や季節に合わせてドライバーのスペックを変えたり、アイアンとFWやUTを入れ替えたりしてみてはいかがでしょうか。そして、特にスコアメイクの最大の壁となっているショートゲームに関して、よりやさしく、でも緻密にプレーできるように本数を増やして対応したほうが絶対に効果があるはずです。

  たとえば、アイアンセットと同じAW、SWをセットで持って、それとは別に、フォージドでスピンがきくものやバンカー専用のウェッジ、そしてやさしくアプローチができるジガーやチッパーなどを、自分のプレー内容に合わせて、14本の中で上手く組み込んでみてはいかがでしょうか。

  ロングショットに関しても、ドライバーは雨の日や狭いコースの対応として、ロフトが多めのつかまりやすいスペックに変えてみたり、同じ距離が出るものでも、ターゲットやボールの状況、天候に合わせて、思い通り球筋で攻められるようにFWタイプからUTタイプ、アイアン系のものを、その都度に組み合わせてセッティングしたりすると、とても便利だと思います。

  14本の画一的なセッティングから、自分のプレーに合ったセットに14本の中で構造改革を行なうことによって、今まで以上にラクにスコアメイクを行ないながら、気分良くゴルフが楽しめるようになるのではないでしょうか。