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ゴルフ雑誌の上手な読み方!


  日本は、他の国に類を見ないほど、ゴルフ雑誌の種類が多く、その中でのレッスン企画も多種多様になっています。

  ですから、かえって複数のゴルフ雑誌を買って読みこんでいる熱心なゴルファーほど、紙面上で説明されているレッスンの原稿や連続写真などで写っているスイングの形を自分勝手に解釈してしまい、勘違いをしながら悩み苦しんでいるような気がします。

  それは、自分なりに理解してしまった動きを客観的なチェックもないままに思い込みで練習を続けてしまうので、正しいことをやっているつもりでも自分自身の姿は見えないだけに勘違いが起こっているからだと思います。

  パントマイムやダンス、物まねを職業とする人が、ゴルフを始めると上達がとても早い傾向にあります。これは職業上、必ず自分の姿を客観的にチェックしながら、作り上げていくということが身についているからではないでしょうか。

  ゴルフにおいても同じで、自分自身で勝手に誤解してしまった雑誌の言葉や写真のチェックポイントで身体の動きをがんじがらめにして練習してみても、客観的に自分の姿を確認していなければ、全く無駄なものになってしまうのです。ですから、雑誌の説明文を頭で理解するのではなく、手本となるプロの写真に倣うために、徹底的に自分を鏡に映したり、ビデオや写真を撮ったりしてみて、プロと同じ姿になっているかどうかを検証すべきなのです。

  でも、ここで危ない落とし穴があります。真似をして良い写真は、プロが実際に打っている写真でなければならず、解説するためにポーズをとっている写真を対象にしてはいけません。プロのポーズをとっている写真は本人の中でのイメージの動きの表現にすぎず、実際に振った時とスピードや力のかかり方が全く違うので、良く見てみるとそのプロ自身の実際のスイングとは、かけ離れた姿になっている場合が多く、それは本当の正しい姿ではありません。

  つまり、紙面上でポーズをとったワンポイント的な特集記事のレッスン表現に一喜一憂するよりも、まず身体の動きとスイングのメカニズムの基本を理解するために、連載が体系的に長く続いていて、リアルな写真で構成されている記事を見つけて参考にすると良いでしょう。それに自分自身のポテンシャルに当てはめて、個性を活かしながら正しくアレンジしていくことです。単発的な雑誌の表現を鵜呑みにした積み重ねではなく、その本当の意味を理解しながら自分に合ったオリジナルな動きを最初から順序良く仕上げていくことが大切なのです。

  また、グラビアを飾っているツアープロによる華麗な技の説明などは、基本が無意識にできる前提でウルトラCの技を解説している場合が多いので、興味本位で技を試してみようと思っているのならともかく、決してスコアメイクのための自分の技として次回のラウンドで試そうなどとは思わないことです。

  このように雑誌の場合は、紙面の最初からセンセーショナルに高度な技が紹介されていたり、初歩的な基本が巻末に出ていたりと順序がバラバラなのです。教科書やマニュアル本のようにページの最初が初歩で、それから順序立てて並んでいるわけではありません。また、連続写真も紙面のスペースの問題でコマ数を調整して途中のコマを抜いて印刷されていることが多いので、パラパラ漫画のような動画的なイメージで連続写真を見てしまうことは、時間的な意識の部分で勘違いしやすいので注意が必要です。

  どんな高度な技も順序良く基本を身につけることで初めて成り立ちます。それなのに、すぐに悩みが解決できるかのような特効薬的な表現に踊らされ、複数の雑誌の特効薬を多種多様に服用してしまうと悩みは多くなるばかりです。まずは基本のみを最優先に身につけるように心がけることが上達の早道といえるのではないでしょうか。