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クラブと身体との唯一の接点がグリップなのに・・・


  最近のグリップはデザインや色、素材の工夫で機能性がとても高くなってきています。しかし、かなりのゴルファーが、唯一ゴルフクラブと身体との接点であるグリップに無頓着で、グリップ交換をほとんどしたことがないというケースが多いのではないでしょうか。

  プロの場合は、シーズンのうちに2,3回はグリップを全て交換します。そして、その太さや材質の握り心地、色やデザインなどが、よりプレーのイメージに合うかどうかを常にテストしながら追及しているのです。

  なぜ、これほどまでにいろいろなグリップが出てきたかというと、それだけ良いプレーをするための要素として、グリップが重要な部分を占めているからなのです。ですからレッスンにおいても、グリップの握り方は最重要視されています。

  常にフィーリング良く握ることができるグリップが装着されていなければ良いプレーにつながらないわけですが、残念なことに一般ゴルファーのグリップは、油や汚れが付着してツルツルになっていたり、磨り減って変形していたりしている場合が多くみられますし、また、そのフルセットを見てみると、番手によって太さや材質が変わっていて、握り心地もさまざまなものになっているようです。

  グリップの握り方について言えば、力まないように柔らかく握れと教わる場合もあれば、手のひらが白くなるほどにしっかり握ってスイングするようにと教わる場合もあります。しかし、これらのレッスンは誰にでも当てはまるわけではなく、個々の状況に合わせた感覚的な表現のレッスンだということを理解しなければなりません。それを証拠に、その両極端な表現でレッスンをしたプロも含め、実際のスイング中のグリップの握力の変化は、無意識ながらも、ヘッドスピードに比例して変化しているということが科学的に証明されています。ですから、不調で悩んでいる場合は、細かいチェックポイントにこだわるよりも、スイングしながらヘッドスピードに合わせて意識的にグリップの握力を変えてみるとスランプ脱出のきっかけになるかもしれません。

  では、スイング中のヘッドスピードはどう変化しているのでしょうか。

  正解は、バックスイングでは最初の動き出しのスピードが速く、トップに行くに従ってだんだん減速していき、フルトップにおいてヘッドはいったん静止してからダウンスイング方向へ動きを転換します。そしてインパクトに向かって加速されて打点に合わせて最速になるわけです。ですから、グリップの握力はトップでは柔らかくなっていて、インパクトに向かって強く握り込んでいくようになるのです。

  また、フルスイングとコントロールショット、アプローチ、パッティングを比較すると、当然インパクトのヘッドスピードは順に遅くなっていくわけですから、目標が近くなり、緩やかな動きになればなるほどヘッドスピードに比例してグリップの握力は弱くなっていきます。だからこそ、距離が近いアプローチやショートパットの時に自然に柔らかいタッチで打てるのです。

  もしかしたら皆さんは、アプローチやパッティングで正確に丁寧に打とうとするあまりに、グリップを力強く握り締めてはいませんか。

  このヘッドの動きと握力の関係を正しく理解してスイングできたならば、きっと気持ち良く振り切れてミート率も上がるはずです。そして、全ての番手で自分の最高のスイングがしやすいように、ヘッドスピードに比例してグリップの握力が自然にコントロールできる、握り心地の良いグリップをセット全体で揃えてみようではありませんか。