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自分のユニフォームを決める


  練習場では惚れ惚れとする球が打てているのに、コースに出るとミスが増えてしまい、上手なスコアメイクができないという悩みを持っているゴルファーは意外に多いのではないでしょうか。 これにはいくつかの原因があるわけですが、一般的に思われているコースでの状況判断や精神的プレッシャーの他に、実は思わぬ要素が大きく影響しているのです。  日本の練習場の環境は、コースとは全く一致しないと言ってよいほどに異質なものになっています。ネット、ゴムマット、ゴムティーなど、コースではお目にかかれない物ばかりに囲まれてゴルファーは練習を強いられています。

  こうした環境の中で、普段の練習場の成果をコースのラウンドで効率良く発揮するためには、少しでも練習とラウンドとのイメージを近づける工夫をしていくことがポイントです。

  つまり、練習場の打席でアドレスをした時の視界が、コースの時と少しでも同じ景色にしていく意識が必要なのです。ですから、打席一面が一色のグリーンマットになっている練習場や、練習ボールがコースボールのほうが、同じ練習をしたとしても効率が良くなるわけです。

  練習場の設備だけではなく、自ら打席でアドレスをした時の視界の中に、たくさんのボールが目に入らないようにすることもポイントの一つです。つまり、実際のコースでのプレー同様に、打つボール1個しか見えない状態を作り出すわけです。カゴに出したボールはそのまま打席から遠ざけておいて、打つボールだけを1個ずつ取り出しながら練習してください。このように打席でコースと同じ景色を作るという意味では、オートティーアップの練習場が最適です。


  そして、皆さん自身が実際にプレーする時と同じスタイル(ウェア、帽子、グローブ、シューズなど)で練習をするということが最も重要なポイントです。演劇などの本番前のドレスリハーサルで衣装を身につけて舞台稽古をする時と同じように、ウェアだけではなく身につけるものもラウンドの時と同じにすれば、コースと練習場の両方でスイング中に自分が意識している視界情報が一致するため、より実戦に強い練習の積み重ねができるのです。

  それなのに、他のスポーツとは違って、ゴルフにはユニフォームが決まっていないからなのか、ラウンドと練習でのウェアの統一感はあまり気にされず、殆どのゴルファーの練習場の姿は、ジャージやジーンズ、Tシャツにスニーカーのような、実際のラウンドの時とはかけ離れたものになっているように思います。実際のプレーの時と同じ姿を意識しないで練習を繰り返してしまうと、ラウンドした時にスイング中の視界情報に違和感が生まれ、せっかくのパフォーマンスを邪魔することになりかねません。

  トップアスリートたちは、そんな影響があることをしっかりと認識しているので、自分にとって最もパフォーマンスを高められる勝負服を決めています。タイガー・ウッズは最終日に、赤系のシャツに黒のパンツという組み合わせにすることで自分のプレーを最高潮に持っていきます。宮里藍も赤いシャツで臨んできたり、ポーラ・クリーマーや横峰さくらはピンクでそろえてきたりしています。もちろん、ゴルフシューズやグローブの色、デザインも視界情報の一部ですから、選手たちにははっきりとしたこだわりがあります。

  年に200ラウンド以上するツアープロでさえ、勝負の時は容姿にこだわりを持っているわけですから、なかなか練習やラウンドが出来ない一般ゴルファーほど、その少ない機会には必ず自分の一番お気に入りの勝負服をユニフォーム化するように心がければ、確実にパフォーマンスはアップし、スコアメイクへとつながるはずなのです。春夏秋冬のシーズンを越えて、練習でもラウンドでも、いつも気に入った同じ色合いの組み合わせのユニフォームでゴルフと接することが出来れば、いつしかスイングも軽やかに気持ちよく振れるようになり、コースマネジメントもクリアに考えられるようになっていくと思います。