TOP > Lifestyle > ゴルフプロのウェブレッスン > パター選びは自分のルーツを思い出せ


  ゴルフプレーにおいて、ドライバーを使わないホールはあっても、パターを使わないホールは基本的にはありません。そして、14本の中でもっとも使用頻度の高いクラブがパターです。その頻度を統計的にみてみると、レベルに関係なくスコアの約4割がパット数になるということがわかっています。平均スコアが70ぐらいのツアーのトッププレーヤーの平均パット数は28パットぐらい。この数字は18ホール中、平均して1パットが8回もあるというハイレベルなものです。また、100を切れないでいるプレーヤーは、なかなか40パットを切れていないのが現状ですから、とにかく2パット平均を目指すことに着目した練習に時間をかけたほうが100を切れるようになると思います。

  以前、ゴルフ雑誌でおもしろい企画の取材をしました。世界のメジャーを戦う選手が使っているパターを勢揃いさせて試打をし、そのパターの特徴を検証するというものです。

  いろいろと集められたパターを見てみると千差万別でした。形や重さ、長さだけではなく、重心の位置や素材に至るまで、こんなにも違うものなのかとビックリしたのが第一印象です。



  しかし、近年になって何度も取材をした各メーカーの一押し新作パターは、最近のドライバーのように素材から構造までどれも良く似ています。なぜそのような傾向があるかというと、新製品の基本ベースモデルにおいては、ドライバーの開発と同様にロボットテストで開発されている場合が殆どで、そのロボットの動きはどれもストローク中にフェースの向きが全く変わらない直線的な動きをするものだからです。

  しかし、実際のプレーヤーのパッティングスタイルはそれぞれ個性的で、全ての人が直線的なストロークをしているわけではありません。これは今回の世界の一流プレーヤーたちの使用パターと打ち方を見ても明らかです。ですから、最新の機能を備えた流行のパターに飛びついて打ち方をそれに合わすのではなく、自分自身のパッティングスタイルをきちっと検証して、それに合ったパターを選ぶことが大切であるとあらためて思いました。ただ、どのニューモデルパターにも共通する新機能は、ドライバーなどの傾向と同じように従来のものよりもパターの芯の面積が広がってミスヒットに強くなっていますから、多少芯をはずしてストロークしてしまっても思ったとおりの距離感で転がってくれるので、パッティングがよりやさしくなってきているのは事実です。

  さて、その集められたパターの種類ですが、流行のツーボールタイプから、マレット型、ピンタイプにキャッシングタイプ、そしてL字型までさまざまでした。でもそれらを使っているプレーヤーとパターとを重ね合わせて考えてみると、なるほどと言って良いほどに打ち方と道具の個性が合っています。そして、一流プレーヤーほど、デビュー当時の記録や過去の取材資料などを調べてみると、パターに関しての基本的な形や構造を全く変えていないことに気づきました。

  タイガー・ウッズの3歳時、パターでボールと戯れている写真はまさしくピンタイプであり、フィル・ミケルソンはL字タイプを一度も手放したことがありません。全米オープンの歴代優勝者でもあるコーリー・ペイビンは、ジュニア当時から今もキャッシングタイプを使っています。

  ですから、パター選びは、自分のルーツにならったオリジナルスタイルのパターを基本にするのが一番その人に合うと思うのです。

  では、自分にとってのルーツになるパターはどの形なのか。それは、自分のゴルフ暦の中で、最初の頃に出会って長い間慣れ親しんだ、一番使いやすかったパターなのです。皆さんも思い浮かべてみると、どんなパターだったか思い出される方が多いのではないでしょうか。その自分のルーツにならったパターの形や構造で、最新のテクノロジーが詰まった新作パターを選んでいけば、とても打ちやすく使い心地の良いパターにめぐり合うことができるでしょう。

画像協力
キャロウェイゴルフ
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