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飛ばしの真髄

  ヘッドスピードは飛ばしのポテンシャルを比較するものとして定着していますが、やはり本当に効率よく飛ばすためには、初速アップ、高打ち出し、適正スピンが満たされていなければ、ボールの最大飛距離は生まれません。中でも大事なボール初速をアップさせるにはヘッドスピードを上げるか、高反発を使うしか今のところ方法がないわけですが、後者の高反発が規制によってなくなってしまったわけですから、これからは長尺効果でヘッドスピードを上げることが最も飛びにつながるのではないかと思っています。

  今年のドライバーを見てみると、どのメーカーも機能面では甲乙つけ難い出来の良さを持っているため、ユーザーのみなさんは、なかなか性能に差を感じにくくなっているとは思いますが、長さはどこも45インチがスタンダードになってきています。それに合わせてアイアンセットやフェアウエイウッドも少しずつ長くなっている中で、ゴルファーは時代とともに知らず知らずに長尺の打ち方を身につけてきているような気がします。



  しかし、長尺にし過ぎるとミート率が悪くなり、弾道が安定しないのではという不安を持っている方は多いと思います。しかし、試打テストの結果を見てみると、アマチュアゴルファーはむしろ長尺を使うことで弾道が安定する傾向にあるのです。意外と思われるかもしれませんが、長いクラブはタイミング良くスイングすればするほど、スイング軌道をかえって安定させてくれて、ミート率が高くなったり、カット軌道にもなりにくかったりするわけです。特に女性の方々は、このクラブの恩恵を受けるべきだと思っていますので、画一的にレディスクラブだけから選ばずに、是非、男性用も試してみてください。

  また、実際に一般ゴルファーのドライバーとアイアンのミート率を調べてみると大差ないのが現状です。つま先上がりのほうが、つま先下がりよりも上手く打てる方が多いように、シャフトが長いドライバーの方が、フェース面がドライバーより広くシャフトが短いショートアイアンよりも、ミート率を測ってみると真芯でボールをとらえている確率は、振りやすいドライバーの方が良い場合が多々あります。

  長尺の恩恵を受けてヘッドスピードが上がってくると、より飛距離がのぞめるようになるわけですが、それを実感するために、一般のゴルファーでも細かいデータ測定をせずに、先に挙げた飛ばしの三要素が理想的に満たされている弾道を、どこででも見極めることの出来る簡単な方法を紹介したいと思います。

  それはボールの滞空時間を意識することです。最適な初速、打ち出し角、スピン量が得られた理想的な球筋は最も滞空時間が長くなり、その時間が長ければ長いほど飛距離が伸びているということになるわけです。また、自分の最大滞空時間を意識しながらの練習やラウンドは、細かいスイングチェックなどよりも、その人にとって一番合った良いスイング作りに役立つのではないでしょうか。

  例を挙げてみると、女子プロゴルファーの平均的なヘッドスピードは43m前後で、飛距離はだいたい240ヤード前後ですが、そのときの滞空時間は6秒半ば位になります。これをひとつの目安として考えると、200ヤードのキャリーが欲しければ、滞空時間は6秒、一般女性であれば5秒、パワーヒッターであれば7秒を目標にしてドライバーを打ってみると、自分にとっての最適なクラブ選びとスイング作りのヒントになるはずです。
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