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気象予報士になったつもりで
もうすぐ日本のプロゴルフツアーも本格的に開幕します。
まだまだ女子ツアーの人気は継続していくのか、男子ツアーに活気は戻ってくるのか、はたまたシニアツアーの魅力に新たなブームが訪れるのか、興味津々といったところでしょうか。
そのツアー開幕に合わせてメーカーのクラブテストとプロモーションビデオ撮りのため、今年のオフにオーストラリアへ行ったときのことです。
気候は日本とは正反対の真夏の地。気温は毎日30度以上になり、ジリジリと照りつける太陽の日差しは痛いほどでした。
早朝にブリスベンに着き、そのままゴルフ場を訪れ、すぐにシャワーを浴びて午後からの撮影の準備をしていたところ、ふとシャワールームの洗面台で、当たり前のことなのですが洗面器にたまった水がいつもと反対に渦を巻いて流れていくのを、おもしろいなぁと思いながら見入っていました。
コースにおいても2日目に入ったときですが、1日目より空気がやけに爽やかに感じられたことが発端でした。撮影ホールでは、初日は左から北東の風のアゲンストで、2日目は右からの南西の風でフォローという反対の風が吹いていまいた。そこでしばし考えをめぐらせていました。初日の風よりも今日のほうがなんで爽やかなのだろうかと・・・
南半球だから日本の感覚と全て逆なのですね。
日本でのプレーを考えてみても、ほとんどの地域で一年中プレーはできますが、四季折々に気候の変化があるため、その都度に状況判断をしていくことが良いプレーのコツと言えるのではないでしょうか。
クラブテストをしてみても、真夏と真冬の気温差ではボールの飛びで一割以上のキャリーの差が出てしまいますし、スイングした感じもクラブが重く感じたり、シャフトが柔らかく感じたりいろいろです。
どんな条件においても、満足なプレーを目指すためには、天候に恵まれた地域を選んで転戦していくツアープロよりも、一般ゴルファーのほうが、普段良く通っているホームコースや地域で一年中プレーをするわけですから、四季の変化を感じながら、より気象条件に敏感でなければならないと思います。
季節の違いだけではなく、週や日替わりでの気温や湿度、気圧の変化、風向や風力の傾向によってボールの飛び方はめまぐるしく変わってくるのです。ですから、頭脳的なスコアメイクをしていくには、気象情報をしっかりと把握していることが大切になってきます。
ゴルフは自然との闘いであり、昔から風は最高のゴルフの師匠とも言われています。気象予報士のように、気象条件が理解でき、その時間的な変化も予想できる知識があったならば、ゴルファーとしての自分のポテンシャルを最大限に引き出せること間違いなしです。
いつも温室のようなインドアの練習場で練習するだけではなく、季節の変化ごとや天候の違いに合わせて、あえて屋外に飛び出していって練習してみるのも、スコアメイクのためには効率の良い実戦練習といえるのではないでしょうか。
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ゴルフプロフェッショナル。
1960年1月2日生まれ。東京都出身。ジュニアの頃から注目され、日大ゴルフ部時代は主将を務めるなど活躍。84年にプロ入りし、87年のCITICORP伊香保国際オープン優勝。理路整然としたスイング理論に定評があり、テレビや雑誌などで幅広く活躍中。
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