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ゴルフ コンシェルジュ 金谷多一郎
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芸術工芸品として選ぶ目を持つ
最近のゴルフクラブは、よりハイテクな素材や機能を備えているだけではなく、そのデザイン性も含め著しく進歩を遂げていますが、他の工業製品と比べてみると美術工芸品の分類に入るゴルフクラブは、構造はそれほど複雑ではなく、ヘッドとシャフト、それにグリップというシンプルなパーツから成り立っているわりには、工業規格のチェックがないために、メーカーごとの基準の範囲で品質にばらつきがあります。しかし、その限られたパーツの中で、まだまだ進化し続ける可能性を秘めているのも、また、ゴルフクラブの魅力です。
特に今年からは、フェースの反発係数に規制がかかり、SLE適合ドライバーでなければオフシャルなゴルフができなくなるということから、プレーヤーの皆さんは、どれに変えようかと躍起になっている最中かもしれません。また、それをつけ狙うかのように、各ゴルフメーカーは性能の優れたSLE適合ドライバーを次々と開発してきています。
その形は、オーソドックスなものから、四角あり、三角あり、五角形ありとさまざまですし、素材や構造も各社それぞれの特徴を出してきていて、性能も各メーカーとも甲乙つけがたく、どれもすばらしく仕上がってきています。ですから、本当に自分に合った道具を見つけるには、今がとてもチャンスだと思います。
しかし、一般ゴルファーの方々が、クラブのことは良くわからないからといって、カタログや雑誌などの一般的な説明や限られた人からのアドバイスだけを鵜呑みにして、大切なゴルフのパートナーであるクラブを選んでしまうことはとても危険です。まず自分の感性を信じてクラブを手に取ってみて、最初は直感で自分自身の好みに合うモデルを選び、その中から、より自分に合ったスペックを専門家に選んでもらうと良いと思います。
気に入った衣服などをさがしに行く時は、まずデザインや色合いなど自分の好みに合うものをいくつか選び出し、その製品の特徴などを専門的に店員に聞きながら、試着をして着心地を確認してから購入を決めるでしょう。クラブも同じような感覚で選んでいくと良いのではないでしょうか。また、プレーするために、他のスポーツでは類を見ない、14本という複数のクラブをバランス良く使い分けるのがゴルフの特徴なのですが、高性能なクラブの開発競争の弊害で、ドライバーやアイアンなどの開発チームが分かれてしまっている現在のクラブ作りでは、セットの調和という観点から見ると、各メーカーのゴルフクラブのセッティングは部分的にアンバランスのような気がします。ですから、同一ブランドでドライバーからアイアンまで全てそろえればバランスの取れた良いセットになっているという思い込みはとても危険です。
ゴルフレベルに関係なく、自分の感覚を信じて、振りやすさや打感、球筋などが共通する14本をメーカーやブランドにこだわらずに選んでいくことが、自分にとってのベストセットを見つけ出すコツと言えるでしょう。
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ゴルフプロフェッショナル。
1960年1月2日生まれ。東京都出身。ジュニアの頃から注目され、日大ゴルフ部時代は主将を務めるなど活躍。84年にプロ入りし、87年のCITICORP伊香保国際オープン優勝。理路整然としたスイング理論に定評があり、テレビや雑誌などで幅広く活躍中。
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