タキシードは夜の花形礼服です。アメリカではタキシードと呼ばれていますが、英国ではディナースーツとも呼ばれています。
衿はピークドラペル(剣衿)かショールカラー(ヘチマ衿)で、衿に拝絹(光沢のある繻子織りの絹地)をかけます。スラックスは、側章と呼ばれる飾り線が一本入ります。これが基本スタイルです。上着は、シングルとダブルブレストがありますが、シングルが一般的です。シャツは、フリルやプリーツの飾りのあるドレスシャツ。ネクタイは、黒絹の無地の蝶タイ(ブラックタイ)、白絹のポケットチーフ、おなかには、カマーバンドを用います。
フルオーダーで注文しますと、ラペルの拝絹とカマーバンドは、同じ黒の素材でオーダーできます。サスペンダーも黒、ジュエリー(装身具)は、オニキス(黒石)黒蝶貝など黒くて光沢のあるものが良いでしょう。ソックスは黒のシルク。シューズはエナメルの軽いスクエア(つま先が角ばった感じにもの)がふさわしいと思います。このようにタキシードの着こなしは、アクセサリーを黒一色で統一することです。
黒のタキシードが一着あれば、カクテルパーティー、クリスマスパーティー、ディナーパーティー、会社の式典、結婚式、披露宴と用途が広く、午後1時に始まり夕方に終了するパーティーでも着用できます。
よく質問があるのは、結婚式の新郎新婦の父親の服装や招待を受けた場合の服装です。特に挙式が午前10時、披露宴が午前11時から開催される場合です。その場合、新郎新婦の父親はモーニングコート、招待を受けた主賓の方はディレクターズスーツを着用します。その他の方、及び友人の方は、チャコールグレーのダークスーツを着用してください。次に、挙式が午後1時、披露宴が午後2時の場合、新郎新婦の父親は挙式にはモーニングコート、披露宴には着替えてタキシードを着用されると完璧です。また招待者側の主賓は、当然ディレクターズスーツです。一般の方は、ダークスーツにウェストコート(ベスト)をシルバーグレーにしてアスコットタイを着用すれば、艶やかな雰囲気になると思います。
二次会や友人同士で開くパーティーには、ファンシータキシードを着用するといいと思います。ジャケットは、黒に限らず、ワインカラー、ミッドナイトブルー、スノーホワイトなどカラフルな色を着てもいいと思います。
最後にフォーマルウエアにはルールがありますので、必ず守って頂きたいと思います。