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オーダーシャツは格好良い


  シャツは、スーツ同様大切な役割を担っています。私もヨーロッパに行くといつも既製品のシャツを購入してきますが、やはり首周りとウェストサイズ、袖丈がピッタリしたものは、なかなか見つかりません。ジャケット等カジュアルウエアを着用したとき、ノーネクタイもしくは、アスコットタイをした場合や、ニットを着たときに、その既製品のシャツを着用しますが、決してスーツを着たときには着用しません。何故なら、ネクタイをしたときにピッタリするものは、オーダーシャツ以外ないからです。


  シャツの素材はコットン100パーセントか、綿・ポリエステルの混紡のものがほとんどです。カッコよく着こなすためにはニットシャツのようにのびることなく、体にピッタリしていなければならないので、既製品にはやはり無理なのです。

  今回は基本的なクラシックスーツをカッコよく着こなすためのシャツ選びのポイントと、オーダーシャツについて説明します。

  衿の長さは7cmが基本です。カラーの高さは4cmか4.5cm。スーツの後ろ衿から1.5cmほどシャツカラーを覗かせる。クラシックスーツの後ろ衿内側は3cmなので、シャツカラーが4.5cmであれば、1.5cm覗く計算になります。5cmに達するハイカラーは、首の短い日本人には似合わないと思います。



  次に、衿型のデザインを説明します。既製のシャツでは、ほとんどレギュラーカラーですが、ショートカラーや剣先の長い(8.5cm)ロングカラー、ネクタイを結ぶ逆Vの部分(タイスペースともいう)が100°くらい開いているワイドカラー、そして160°開いているブリティッシュワイド(イギリスのシャツはこのデザインが多い)、衿にボタンがあるボタンダウンシャツ、衿と衿の間にフックで留めることが出来るタブカラーシャツ、衿に小さな穴をあけてピンが留められるピンホールシャツ、衿のタイスペースが20°くらいのナローシャツがあります。そして衿のないスタンド式(高さは2cmから4cm位まで、自分の好みに合わせることができる)のスタンドカラーシャツや、カラーとの間に二つボタンがあるドウェボットーニ(イタリア語で二つのボタンといいます)カラーシャツもあります。この中から自分に合った衿を選んでいきます。

  そしてカフスは、ほとんどが小丸型ですが、その他、大丸型、角落型、角型、ダブルカフス型があります。それに胸ポケットのデザインや裏前立、そして背タックも左右タック、センター箱ヒダ、外箱ヒダがあります。その上、ボタンホールのボタン付糸の色までいろいろなカラーがあります。また、自分だけの刺しゅうネームの色だけでも十五色もあります。オーダーシャツの奥は深いんですよ!!世界でひとつのオリジナルシャツを着て、スーツスタイルをビシッときめてみてはいかがでしょう。
株式会社神谷ガーメント 代表取締役社長。イギリス サヴィル・ロウのキルガーフレンチ&スタンバリー(現キルガー)でチーフカッターを務め、帰国後、西武百貨店顧問デザイナーを経て、株式会社テーラー神谷(現株式会社神谷ガーメント)の社長に就任。就任後は若い人でもオーダースーツが楽しめる「ニューオーダー」の開始やNHK総合テレビ月曜ドラマ「オーダーメイド」でテーラー指導、衣装製作さらには出演など、精力的に業界の活性に尽力している。
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