私はポケットチーフを30枚程持っています。毎朝、スーツやシャツ、ネクタイの色に合わせてポケットチーフを選びます。近年のクールビズで、ネクタイをしないという方もいらっしゃると思いますが、ノーネクタイでもポケットチーフを挿すだけで、雰囲気がかなり変わってきます。そこで今回はポケットチーフの挿し方を3つご紹介しましょう。
ではまず初心者の方に一番簡単な挿し方です。アメリカのテレビ関係者らが、テレビ映りがよく、嫌みのないポケットチーフの挿し方を模索し、考案されたという「TVフォールド」。ヘム部分をポケットと平行にする、最も有名な挿し方です。2分の1以上たたみ、チーフの縁が外側になるようにポケットに挿し、1cmほどのぞかせてやります。
次に「スリーピークス」という挿し方です。正礼装が求められる結婚式や、パーティなどで用いられるポケットチーフの挿し方で、胸元に華やかな印象を与えてくれます。ディレクタースーツや、イブニングコート、モーニングコート、タキシードでは、糊のきいたコットンやリネンの白いチーフでもよいですね。ではこのスリーピークスの挿し方をご説明します。水平な所に、チーフを広げて置きます。そして、チーフの角と角を合わせ、三角形を作ります、同じ作業をあと2回行います。この時きっちり折り目がつくようにします。三角の角が3つ重なった部分を頂点として、それを少しずつずらし、均等な間隔の山を3つ作ります。ポケットでの納まりがいいように、下の部分を後ろに折り返します。つまり、裾の両端を直角にするということです。形が崩れないように、ゆっくりポケットに挿して、さらに3つの山を整えて完成です。
最後に、パフドスタイルです。アイビーフォールドとも呼ばれるこのスタイルは、無造作に挿すことから、カジュアルスタイル向きとされます。ネクタイと同色のチーフと合わせるのがおしゃれですね。このスタイルは、まず左手の平にチーフを広げてのせます。右手の人差し指と親指でチーフの中央をそっとつまみ上げ、軽く振ります。左手で裾の部分を軽く絞るように振ります。そしてチーフの端を内側に入れ込み、右手で持ちます。左手で胸ポケットを開きながら、つまんだ方を上に挿し込み、チーフの膨らみを整えます。ふわっと挿すのが、きれいに見せるポイントです。
この3つの挿し方を覚えて、ポケットチーフを楽しんでいただきたいと思います。これは胸元での、最小にして最大のおしゃれ効果を得る方法です。