![新大陸で生まれた自由で機能的なスーツ [アメリカン・スタイル]](img/071211/title.jpg)
クラシックなスーツスタイルは、以前お話したブリティッシュ・スタイル、フレンチやイタリアンスタイル、そして、アメリカン・スタイルに分類されています。今回は、アメリカ系スーツのお話をいたしましょう。
アメリカのスーツは、まずアメリカがヨーロッパの植民地だったことと、たくさんのヨーロッパの移民がアメリカにやってきたことを念頭に入れる必要があります。多くの国の人たちが、多くの服とともにアメリカの地を踏み、それがアメリカのスーツを作りあげたのです。なかでも英国人が、ニューヨーク、マサチューセッツ、ヴァージニアなど主要な地に多数定住したこともあり、アメリカのスーツスタイルは、以降英国がルーツになっています。
そしてもう一つ、アメリカといえばアイビー・スタイルがあります。このアイビー・スタイルは、私の古い友人であった石津謙介氏が、昭和38年に日本に導入したことをきっかけに、ヴァン・ジャケットが、当時の若者の間で一世を風靡しました。アメリカの8大学アイビーリーグの大学生が好んで着用したスタイルで、メタルボタンのブレザースーツやジャケットが大流行し、今でも紺ブレ(紺色のブレザー)は、根強い人気があります。2つボタンや3つボタンで、ウエストは絞らず、センターフックベントが特徴的です。