そんなJ.Crewが数年前、確か2008年にマンハッタンにメンズショップをオープン。店の名前が「Liquor Store」。場所はソーホーのトライベッカで、この地区のランドマークであった古い酒店を改装してメンズショップを作ったのだ。今でもHP上でショップの様子が公開されているが、かなりヴィンテージな雰囲気の素敵な作り。ラルフ ローレンが目指すヴィンテージの感覚が貴族的であるのに対し、もっと日常的というか、アメリカ的。日本人にわかりやすい雰囲気とも言える。まるで家の中にいるよかのように、フローリングの床に書棚、クローゼットなどの什器が置かれ、洗いをかけたパンツやシャツなどが並び、オールデンの靴やイソップの化粧品まで売られている。古いレコードや本、アンティークの時計なども並ぶ。商品の陳列の仕方ひとつも実に洒落ている。これまでの洗練されたJ.Crewのイメージからすると冒険的だが、男性には確実にウケる要素を持っている。何よりメンズ専門店というのが、J.Crewにとってはかなりのチャレンジと言える。前述のように品揃え自体は、日本のセレクトショップに近いものがあるが、やはりディスプレイなど演出の方法が違うと商品は確実に違って見える。この辺りは日本のショップもぜひとも見習って欲しいところ。
さらに昨年には、ブロードウェイにも2軒目のメンズショップも開店、西海岸では、ロサンゼルスの人気店、ロンハーマン(メルローズ店)の中にもインショップをオープンさせたという話もあり、J.Crewのメンズの進撃はまだまだ続きそう。もちろんウィメンズでも、ウェディングに力を入れたり、有名モデルとコラボしたり、ブランド全体で確実に進化している。どなたか、お金に余裕のあるメーカーの方、商社の目利きの方、再び契約して、日本でも展開すれば、けっこうな人気になるのではと思うのは私だけだろうか? 少なくとも私は次回ニューヨークに行ったら、J.Crewはぜひともじっくり見てみたいと思っている。興味のある方はぜひともHPでチェックをしてみてはいかがだろうか!