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  FERICの3月特集で様々な作家をご紹介させて頂きました。この場を借りて改めて宣伝ということで触れておきます。宜しくお願いします。

  さて、この連載の第1〜2回でご紹介させて頂いた切り絵作家の福井利佐ですが、4年ぶりの個展が東京(浅草)でスタートしております。 ここで少しご紹介したいと思います。今回の展示は浅草のGallery efで開催させて頂きました。私、個人的に約10年のお付き合いとなるこの場所。独自のキュレーション、変わらないアーティストとの関わり方等、色々な意味で感心させられることが多かったのですが、やはり空間の魅力がずば抜けています。関東大震災と東京大空襲でも倒れなかった土蔵。もう140年も建ち続けている(内装は漆で補修されています)この建物は文化庁登録有形文化財として登録されています。以前、オーストリアでの企画展にお誘い頂いてから、福井利佐本人がGallery efを訪れ、即気に入ったことからこの個展は動き出しました。



  土蔵と切り絵の組み合わせは、一見とても噛み合うようですが、この空間そのものの存在感が強烈。個性のぶつかり合うカタチが想像できましたので、福井本人とても苦労しました。設営にも数日掛かりましたし、作品選びにもギリギリまで時間を費やしました。

  今回の目玉とも言える初の映像作品「たらちね」の空間は原画(切り絵)に囲まれながらのプレゼンテーションを目論み、一種独特の空間に仕上がっています。その映像ですが、STUDIO4℃(日本を代表するアニメーションスタジオ)とのコラボレーション作品として発表されました。DVD付き作品集として発売されたこの作品の詳細はここでは語りませんが、切り絵のアニメーションとして独自の表現が施された唯一無二の作品だと思います。本の中身は福井利佐完全監修ですので、アナログ、デジタルの2方向からお楽しみ頂けます。映像の全貌はここに記されておりますので、是非。

     

  展示内容は新作と1st作品集「KI RI GA」から数点、映像作品「たらちね」の作品含め63点が展示されています。現物を見せることを強く感じた福井利佐が選び抜いた作品群は、写真でご紹介する意味をなさないのが正直なところ。ただ、やはり遠方の方々には無理なお話しですので、少しでも感じて頂けたらということで、今回数点ご紹介させて頂きました。場所が浅草ですし、観光&桜(開花しましたね)も兼ねて、お立ち寄り頂ければとも思っていますので、やっぱり来てください(笑)。4月13日まで開催しております。


  地方の巡回情報としましては、現在札幌が決定しております(追って追加予定)。 1回目の福井利佐個展の巡回先でもある札幌に、まずはご挨拶ということも含め、展示の機会をいただきました。こちらは5月11日より開催です。詳細は後日発表です。

最後にDM(フライヤー)にも記載されている福井利佐本人の言葉を。

「私としても気がつけば4年も空いていたという感じです。前回の個展とはまったく異なり、明治改元の頃に建てられた土蔵の雰囲気も交えた展示です。私自身もどんな相乗効果が起こるのか楽しみです。」

 

 

Agent&Creative company 代表取締役兼プロデューサー。新しい才能に目を向け、プロデュースからディレクションを業務とする。ギャラリーとは異なり展示施設を持たず、人に力を注ぐ業務展開を行い、様々な才能を輩出。作家マネジメント及びプロデュースを手掛けながら、付随する業務を全てこなす。その他に、制作部門を独立させ<diffusion.>の代表も兼任。商業施設、広告等のアートディレクション、デザインも受注し、制作物のプロデュース、プランニングまで手掛ける。 http://www.philspace.com/