今回は「本間日呂志」という作家です。写真家としての認知の方があると思います。コマーシャルワークとしてハリウッドの人気俳優(ジャン・レノ、キアヌ・リーブス他多数)の撮影やGUCCI、NIKE等ファッションの世界でも輝かしい実績をお持ちです。実は、そういう実績を基準に見ることが出来ない私だったりするのですが、どの仕事を見ても、本間氏は必ずそのなかに「存在している」というのが今回取り上げた理由です。となると、プライベートワークの作品に興味は移らざるを得ないのですが、これがまた想像以上に素晴らしい。観る側との距離感とでも言いましょうか、絶妙です。
本間氏の「写す+撮る」表現の魅力、それはそこに映り込んだ彼の呼吸する空気が見え隠れする部分だと個人的には思います。なぜか、郷愁を誘う色合いは、海外だろうが、国内だろうが同様に感じられるんです。ですから、その場所に興味が芽生えたり、どこだか調べてみたくなったり、はたまた被写体そのものに入り込んだり、と新たな物語が始まります。それは景色や日常の断片とは明確に異なる「ある世界」なんだと。現実と虚像の狭間がそこには展開されているんだと。それを瞬時に創造する「気」を持ち合わせているのが、彼の作品なんだと思うのです。
島根県雲南市でのプロジェクトや海外で話題沸騰中の日本バンド「浅草ジンタ」の写真も今後じわじわ情報として出てくるのでしょう。自然を愛する本間氏の写真は皆さんに届くことは時間の問題だとすら感じます。私はアーティストといわれる職業は作品さえ良ければそれでいい、と思っている部分があります。それは気に入った作品が全てであり、その前の過程は各々が想像力を巡らせて楽しめば良いと思っているからです。
ただ、仕事はそうはいきません。力になろうと思える部分は大なり小なり人間そのものに魅力があるか否か。これ正直な話だと思います。本間氏は人そのものから発している空気が心地良い。作品も人も素晴らしいというのが「嘘くさい」と感じる方は、写真のみでジャッジして下さっても構いませんが、いつか本人に出会うことがあるのなら、この記事を思い出して頂ければ幸いです。
私は本間氏の作品を彼のスタジオで拝見させて頂きました。「これは人の手に渡り、賞賛して頂かなければ意味がない」と改めて感じました。こんなキャリアのある方に対して、この感じ方はないだろう、と思われても構いません。私はアーティスト「本間日呂志」が海外で評価が上がる確信を持っています。過去のキャリアではなく、ここからの本間氏の活動こそ、注目していきたいと感じています。
今後、「本間日呂志」の作品を販売したいと思っています。どんなカタチになるか解りませんが、弊社diffusion部門で話を進行させるつもりです。 |