一年越しで関わってきたデザイナーズ賃貸物件の部屋の内装デザインが終わりました! 東京で忙しく暮らす大人のための高級賃貸マンションです。下目黒にある建設中の建物には、すでにテストルームとして内装を完成させた部屋ができあがり、先日最終チェックに訪れました。出来ばえは、なかなかです。こんな賃貸は今までないでしょう!というものになりました。
長い間、“デザイナーズ物件”といえばコンクリートのうちっぱなしで、モダンなデザインの物件が主流でした。今回のプロジェクトでは私たちを含めた4社のデザイナーが入り、その中のひとつであるJAMOタイプは、うちの事務所ならではの少し“ユルめ”のテイストとなりました。
国も時代も問わず、世界中にどこにでもありそうな“フラット”をイメージし、壁や天井、扉などはできるだけ手の温もりが感じられる塗装で仕上げ、ウッドを多く使い自然素材で経年変化するものを多用。床も本物のウッドフローリングで手の込んだ張り込みをしました。キッチンやパウダールームはタイル張りにして、シンプルなつくりにしました。
唯一の装飾は、壁の天井の間に施したモールディング(化粧縁)。ゆったりと寛げる部屋には、案外そういう装飾が必要だと思ったのです。あんまり無駄なものがなく、きれいすぎるより、少々装飾があった方がモダンでハイテクなビルの立ち並ぶ東京で、ビジネスに忙しい生活をする方々にはいいかと思うのです。
今はモデルルームのための家具選びをしているのですが、一番悩んだのがベッドでした。日本ではあまりベッドをこだわる方がいないのか、よく理由は分からないのですが、ヨーロッパの高級家具メーカーか、国内の安価なものが主流で、その中間の素敵なものがなかなかありませんでした。少し寂しい気持ちになりながら、次はベッドをデザインしてみたいと強く思いました……。
そこで落ちついたところが「ARFLEX(アルフレックス)」のベッドです。部屋のコンセプトである国や時代を問わない、テイストもオーソドックス、そのうえ機能が最高です。毎日長い間いるところ。そして次の日を迎える身体をつくる場所。人が一番寛げる時間。そんな貴重な時間を過ごすべきベッドなのです。