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写真集でインテリア?


Bernd & Hilla Becher(ベルント・ベッヒャーとヒラ・ベッヒャー)  好きな写真家はたくさんいるのですが、ここ最近見なおして「うーんやっぱり、いつ見ても好きだなぁ」と思っているのは、ドイツ生まれの写真家、Bernd & Hilla Becher(ベルント・ベッヒャーとヒラ・ベッヒャー)。

  1959年くらいから、奥様のヒラと共同で「無名の彫刻」というタイトルで発表し、給水塔、冷却塔、溶接炉、鉱山など、ドイツ近代産業のモティーフを撮影しているもので、何度か国内外のギャラリーでも拝見しました。個展が行われたギャラリーでは同じフレームを使って数を並べて展示するなど、彼らの視点をより強く感じ、“表現すること”、“表現するもの”についてとっても考えさせられます!


Bernd & Hilla Becher(ベルント・ベッヒャーとヒラ・ベッヒャー)  かつてはいわゆる「建築」とは捉えられることのなかった、人に圧迫感や嫌悪感さえも抱かせる、もちろん美の対象物でないもの。でも同時に、私たちの豊かな生活を影で支える現実そのものを、彼らの視点で丁寧に撮りおろされることで、真の美しさや、そのカタチが表現するものはなにかなどを訴えかけてくれます。そして生きることは美しい、ということを見せてくれています。

  作品の見せ方も表現のひとつだと考える彼らの写真集はもちろん完成度はとても高く、表紙、デザイン、装丁、紙質、ページネーションなどすべてが美しく、無意識に普段目に留まるところ、そして手の届くところに置いてしまいます。

Bernd & Hilla Becher(ベルント・ベッヒャーとヒラ・ベッヒャー)  部屋の、表紙のデザインに合う場所に立てかけてみたり、なんとなくそれに合う花を選んできたり、朝の紅茶を飲みながら好きなページを眺め、そのまま片付けることなくテーブルに置いてあったページを夕食時にまた眺めていたりと、我が家での好きな本は空間には欠かせません。

  今まであまり意識をしたことはなかったのですが、こうやってつれづれ考えていくと、私にとって写真集はインテリアの大事な要素。内容はもちろん、デザインや思想を含めた本そのものが、自分の空間を楽しむ上でなくてはならないもののような気がします。少し大げさですが……。

  そういえば、先日、ある友人の家にはじめて遊びにいきました。私と違ってほんとのビジュアル本好きの人です。部屋には何個もの本棚があり、古いものから新書、雑誌、カタログにいたるまで、棚にも床にも部屋の隙間があれば本が入っていました(笑)!ベッドヘッドも本でできていました!! ほんとの意味で“写真集でインテリア”でした!!!