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 銀座にオープンしたSHIPSは、それまでのアメリカ西海岸的なミウラに対して、東海岸の正統的な雰囲気。品揃えもトラッド的なアイテム、ブランドがほとんど。しかし前身のミウラと同じく圧倒的に輸入品が多く、いままで見たこともないブランドで「本物」の匂いがした。コールハーンの靴、グルカのバッグ、セロやギットマンのシャツ、マックジョージのセーター、本場アメリカのメンズショップがそのまま銀座に出店したような品揃えに驚嘆した。

 

 

SHIPSがお手本だった

 

 

 「上野や渋谷で長髪にフレアのジーンズばかりはいていた“お兄ちゃん”が突然、髪を短くしてトムソンのグレイのウールパンツに白のスタンスミスなどを合わせて『これからは、コレでしょ!!』ですからね(笑)。でもそれがカッコいいと思いましたし、新鮮でした。コールハーンのオイルドレザーのローファーやリボンベルトなどが並び、セレクトショップなんて言葉はありませんでしたが、すごかったですね。商品に囲まれている毎日が楽しくて、楽しくて。今、思えばSHIPSが出来ても、社内にはミウラ愛好家が数多く、SHIPSとの社内ブレンドでシャンブレーシャツにフラノのパンツ、足元にスニーカーを合わせるようなスタイルが出来たんだと思います。実に今日的なスタイルですね」

 

 中澤さんによれば、当時も今もSHIPSが目指すのは「世界最強の小売店」という。「流行を追う商売だから、SHIPSという“幹”を中心に、(時代にフィットした)いろいろな枝葉が出来、それぞれが成長していくだろうが、“SHIPSらしさ”を見失わずに、ブレずに“洋服屋”を続けていくことが大事ではないか」と中澤さんは語る。

 

 「みんなSHIPSがお手本だった」と昔、おっしゃっていた人がいらしたが、私も本当にそう思う。アメリカ製品の素晴らしさ、本物だけが持つ輝きを教えてくれたのがこの店だ。SHIPSの成功がなかったら、セレクトショップがこれだけ日本に増殖することもなかったのではないか、あるいはもっと遅れていたのではと思う。中澤さんはそのSHIPSに人生の半分以上を捧げた人。身体のどこを切っても「SHIPSらしさ」のDNAあふれ出てくるに違いない。中澤さんはSHIPSにとっても、メンズファッション界にとっても重要な存在だと思う。中澤芳之さん、50歳、おめでとう!

 

 

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SHIPSがお手本だった

現在のSHIPS 銀座店。地下1階、地上3階のフロア構成で、SHIPSらしいビジネスからカジュアルのアイテムが揃う。
【店舗情報】
東京都中央区銀座3-4-15 菱進銀座ビルB1-3F
☎03-3564-5547
営業時間11:00〜20:00
http://m.shipsltd.co.jp/

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