TOP > Watch > BREITLING ダイヤル誕生の瞬間

  また、たとえばスレートグレーに着色する場合は、まず脱脂をして汚れを落とし、最初にニッケルをメッキし、その後に着色という手順を踏む。

  一方、ブルーに着色する場合は、必ず下地にゴールドをかける必要がある。つまり、最終的に求める色に合わせて、下地に施すメッキの金属を変える必要があり、これを確実に行わなければ、どうしても美しい色調を得ることができないのだ。このような細かなノウハウや作業の手順は、やはり長い経験がなければ、会得できないものであろう。



エアロスペース・アバンタージュの文字盤で、スレートグレーに着色する前の作業工程の様子である



浮き出したアラビア数字のみ、ベースとは別の金属でメッキする。まず全体に保護塗装を施し、9kgの重いプレートに9枚装着し、平滑な盤の上で研磨する。これにより数字だけ真鍮の地が露出し、メッキが可能となる

  それにしても「メッキと研磨」、「メッキと切削」、「メッキと保護塗装の除去」など、メッキのパートとその他の工程との間で頻繁にダイアルが工場内を往復するさまは、我々の想像を絶する複雑さである。聞けばクロノマット・エボリューションのアラビア数字ダイアルの場合、およそ80もの工程が必要だという。別部品を製作して植字するアップライト・インデックスのダイアルと比べて、やや簡便ではないかと考えていたアラビア数字ダイアルだったが、これもまた長い経験と高度な知識に裏打ちされた、技術の結晶ともいうべきプロダクツだったのである。



左がサンディング処理前のダイアル。右がサンディングによって数字の部分だけ真鍮の地を出したもの。この後、電解漕に漬けてメッキを施せば、金属の地が出た数字だけに、任意の金属層が形成されるのである


メッキを付着させる部位をコントロールするため、保護のための塗料が数度に渡って塗布される。この保護塗装は最終的には不要。そこで溶剤を満たしたトレーにダイアルを入れ機械で揺することで塗膜を剥離させる


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