TOP > Culture > 自宅で体感できる、アートギャラリー > 船長に会いに行く。 柳原良平


  そもそも、海運会社の専属画家になることを希望していた柳原さん。何よりも船が好きで、幼少の頃から港に訪れては船を描いていたそうです。船に関する著書も多数出版されていますが、私も恥ずかしながら数冊所有しております。装丁も含め気に入っているものは「船の本」(至誠堂)ですね。背景の少しくすんだ色に自画像とも思えるキャラクターが様々な船と共演しているが如くシンプルにレイアウトされております。古本として書店で購入したものですが探せば見つかるかもしれませんね。


  そういえば、ご自宅に何度か訪問させていただいた際にも、船のオブジェや模型が所狭しと並んでいたのを思い出します。情熱による行動は、年数を重ね見事に伝わっていきます。様々な賞(運輸大臣賞、運輸省交通文化賞等)を受賞し、様々な名誉船長(商船三井、佐渡汽船、太平洋フェリー、東海汽船等)にも就任。東海汽船の高速船「アルバトロス」のデザインは柳原さんですし、商船三井のコンテナサービスのキャラクター(アリゲーター)も手がけられています。そういえば「アンクル船長の館」(広島県)も常石造船がきっかけとなって生まれた場所ですね。全ての活動は大好きな船によって支えられている、といっても過言ではないかもしれません。いや、船に関わる海や港に対する大きな愛情が大きな貢献を産み、柳原さんを支えているのです。





  そんな活動のひとつである毎年の展覧会。今年は『満天の星座たちと船』というタイトルがついていました。海、港、そしてそこに関わる仕事、人々が描き出されるばかりでなく、空、星、も交えた地球規模な演出が施されることが予想されます。もちろん、メインは船です。日頃お忙しい方々には、疑似体験としての“航海”を楽しんで頂ければと思います。

 

  もし本物の船を見たい、港に行きたいという気持ちでいっぱいになっても大丈夫。この展覧会の会場は横浜なのですから。

 

 

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柳原良平 個展『満天の星座たちと船』
日程 2008年10月10日(金)〜18日(土)
会場 せんたあ画廊
住所 横浜市中区真砂町3-33 関内駅前・セルテ3階
時間 10:00〜19:00(最終日17:00閉廊)
Agent&Creative company 代表取締役兼プロデューサー。新しい才能に目を向け、プロデュースからディレクションを業務とする。ギャラリーとは異なり展示施設を持たず、人に力を注ぐ業務展開を行い、様々な才能を輩出。作家マネジメント及びプロデュースを手掛けながら、付随する業務を全てこなす。その他に、制作部門を独立させ<diffusion.>の代表も兼任。商業施設、広告等のアートディレクション、デザインも受注し、制作物のプロデュース、プランニングまで手掛ける。 http://www.philspace.com/