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年末になってついに発見!今年のマイベストウォッチ(前半)

篠田哲生プロフィール

 

 2010年も師走に入り、そろそろ時計業界はひと段落。既に年明けにスイス・ジュネーブにて開催される高級腕時計の見本市「SIHH」に向けて力を蓄える時期です。雑誌媒体でも年末商戦を当て込んだ大時計特集は軒並み校了を終え、そろそろ本屋に並んでいるころでしょう。

 

 この時期の腕時計特集の多くで「ウォッチ オブ ザ イヤー」的な企画が催され、私も何誌かに媒体特性や読者層に合わせて数種のコメントを寄せました。

 

 しかし個人的には、ダイアルがブラックならよかったのにとか、ケース径が大き過ぎるなぁ、など「帯に短し、襷に長し」なモデルが多く、腕時計を買うには至らない…。

 

 日々腕時計の魅力を伝える仕事をしておきながら、自分が時計を買わないというのは心苦しい…、と悩みつつモノ情報誌をめくっていたら、突然ピンとひらめく腕時計を発見! 即、オーダーを掛けたのでした。

 

 私の気持ちを突き動かした今年唯一の時計。それは“Ipod nano×ジャン・ルソー”の組み合わせ。つまり厳密には腕時計じゃない。しかし腕時計とは“時刻表示を行うウェアラブルな道具”という定義を当てはめれば立派な腕時計と言えるのではないか…そんな思想にまず感動。しかもジャン・ルソーといえば有名時計メーカーとの関係が深いフランスの名門ストラップメーカー。これもそそるポイントです。

 

 まずはIpod nanoを有楽町のビッグカメラで購入。豊富なカラーバリエーションの中から「ブルー」を選択。モノトーンのコーディネートが多くなる季節なので、腕元に差し色として使うイメージです。そしてその足で銀座にある「アトリエ・ジャン・ルソー」に移動。さっそくオーダーを開始します。

 

 時計ストラップの場合はデザインから選択できますが、今回は既に定型デザインが決まっているので、重要なのは素材選び。今回は時計(というかIpod nano)の時点で遊び心満載なので、逆にストラップは本格志向で「アリゲーター」を選択。色はブルーの本体が映えるように艶ありのブラックとグレーのツートンで決定です。さらにステッチはブルーにして本体とのコーディネートを楽しめるようにしておきます。

 

 ここまでやって価格は¥16800から! 本物のエキゾチックレザーを職人の手作業で仕上げるというのに、この値段は驚異的。いやはや、ジャン・ルソー、恐るべし…。

 

 仕上がりは約2週間後。みんなに自慢できる“今年の私的ベスト1”時計を着ける日が待ち遠しい今日この頃です。

 

 

年末になってついに発見!今年のマイベストウォッチ(前半)  

多くのバリエーションからレザー素材を選ぶ工程が、最も楽しく、そして悩ましい。あくまでも“遊びの時計”なので、素材は本格的にして、そのアンバランス感を楽しむ予定。

 

 

年末になってついに発見!今年のマイベストウォッチ(前半)  

ステッチの色はファッション性を高めるためのスパイス。Ipod nanoの色に合わせてステッチ色を決定。

 

 

年末になってついに発見!今年のマイベストウォッチ(前半)  

銀座店の店内には工房も併設されており、職人の手作業を間近に見ることができる。