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彼らが時計を買う理由。とある二人の時計購入物語

篠田哲生プロフィール

 

 腕時計をしない理由の多くが「携帯電話があるから」。確かに常に持ち歩く携帯電話は、現代の懐中時計と呼べるシロモノ。だからこそ「ではなぜ人は腕時計を買うのか?」という疑問が生まれてきます。

 

 生活必需品ではない腕時計を買う理由とは…。その疑問を解消すべく、現在発売中の時計専門誌「ウオッチナビ」(発行:学研パブリッシング)にて、読者がどうやって時計を購入するに至ったのかをレポートする『MY FIRST WATCH 購入物語』という企画を担当しました。

 

 登場した読者二名は「転職のお祝い」「30歳になる節目として」という理由を挙げ、その購入に至るまでの顛末を語ってもらいましたが、やはり人の数だけ“物語”はありました。そこで今回は、友人との暑気払い会を利用して個人的に第二弾を取材してみました。

 

 

ケース1はIT系ビジネスマン。

 時計に全く興味が無かった彼が、時計購入を思い立ったきっかけは結婚。結納返しとして時計を買うのはどうか? との奥様からの申し出があり、ならばと時計専門誌で比較検討を始めたことからその魅力に取りつかれたそう。

 

 特に興味を惹いたのがブライトリング。歴史や機能のウンチクを知るにつれ「もうこれしかない」と思いを深めていく。スーツスタイルでの着用がメインなので、モデルは小ぶりなナビタイマーに決定。しかし、肝心の予算が想定内に収まらない…。

 

 そこで彼が取った行動が、奥様への熱心なプレゼンテーション。ブライトリングとナビタイマーの説明に始まり、なぜこれだけの価格になるのか、そしてこれを着用することでどんな効果があるのか…。2カ月に及ぶ彼のプレゼンテーションによって、無事ナビタイマーは彼の腕に収まった。

 

 購入後の満足度も高く、同僚からも褒められることが多いという。唯一の問題点は、すっかり時計愛好家になってしまい、次はどれを買おうか…という新たな悩みが増えたこと。折しも第二子誕生で奥様の財布の紐がガチガチに硬くなっているだけに、現在はプレゼンテーションに向けて今は比較検討中だそうです。

 

 

ケース2はWEB系のクリエイティブ・ディレクター。

 彼は時計を平日と休日で使い分けるタイプ。休日はオメガ「スピードマスター プロフェッショナル」を使用し、多忙な平日は正確に仕事をこなすために“電波&ソーラー”のアナログクォーツ時計を愛用しています。

 

 最近購入したのは平日用のアナログクォーツ時計。狙うは以前から機能とデザインに注目していたカシオ「オシアナス」。数あるモデルから比較検討して最終的に選んだのが、セレクトショップ「ナノ・ユニバース」とコラボレーションした『オシアナスOCW-T750』。このモデルは、針もインデックスもダイアルも真っ黒という“オールブラック”スタイルで、世界6局対応の「マルチバンド6」を搭載する絶対的な精度を誇りながら、時刻が判読しにくいというアンビバレンツな時計です。

 

 折しも「高感度消費者」に対する広告制作をしており、打ち合わせに出向くたびにみんなの視線を集めたそう。このブラック・オシアナスは感度の高い人々の琴線に触れる時計だったようで、「今までの電波ソーラー時計とは全く違う反応。買ってよかった」と満足気でした。

 

 腕時計は今や嗜好品。だからこそ人はトコトン時計選びに悩むのです。そしてその深い悩みが快感となり、そのまま時計の世界にズッポリとハマっていくようです。

 

 

彼らが時計を買う理由。とある二人の時計購入物語  

ブライトリング永遠の定番「ナビタイマー」。回転航空計算尺によって“プロフェッショナルのための計器”らしい迫力が生まれている。オールシーズンで着用するためメタルブレス仕様を選択した。

 

 

彼らが時計を買う理由。とある二人の時計購入物語  

薄暗い屋外で撮影したため、ほとんど時刻を読み取れない。これこそがオールブラック・オシアナス『オシアナスOCW-T750』の面白さ。良く見えなくても、示している時刻は絶対に正確だ。

 

 

彼らが時計を買う理由。とある二人の時計購入物語  

こちらが「ウオッチナビ」。絶賛発売中!