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時計界でも改名騒動勃発で、新生シリーズの運命はどう変わる!?

篠田哲生プロフィール

 

 運気やジンクスを大切にするスポーツ選手や芸能人は、比較的頻繁に改名を行います。姓名判断による運気向上に関する科学的データは存在しませんが、少なくとも名前が変わったことでフレッシュな印象をもたれるのは事実。また芸名のイメージを利用すれば芸風の変更もスムーズにできるでしょう。

 

 残念ながら某占い師による改名指南はことごとく失敗しているようですが、時計業界では「ジェラルド・ジェンタ」と「ダニエル・ロート」が、改名によって新たな局面を迎えています。

 

 「ジェラルド・ジェンタ」は天才時計デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏が1969年に立ち上げた時計メーカー。その後1998年に彼は会社を去り、2000年にブルガリグループの傘下に収まりました。一方の「ダニエル・ロート」は天才時計師ダニエル・ロート氏が1988年に設立しましたが、1997年に会社を売却。こちらも2000年からブルガリグループの傘下に入っています。

 

 ブルガリグループ内においては、ブルガリ、ジェラルド・ジェンタ、ダニエル・ロートはあくまでも独立した存在であり、技術的な協力がメインでした。

 

 しかし2010年に業界に激震が走ります。ジェラルド・ジェンタとダニエル・ロートを、ブルガリの1ブランドに統合するというのです。両社は特殊な世界観と高い技術力を売りにした時計メーカーとして、所帯は小さくとも一国一城の主として活躍してきたわけですから、ブランド統合という力技には多くの時計関係者も驚きました。

 

 しかしブルガリ本社のコミュニケーションディレクターの話を聞くと、その戦略にも納得ができます。

 

 例えばプライス面。同機構・同デザインにもかかわらず、ダニエル・ロート時代と比較して大幅にオフプライスができたのは、ブルガリブランドとして一本化したことで、生産から流通までが最適化されたから。さらにデザイン部門をブルガリの本拠地ローマに移動させることでブルガリ色を強めたのは、アバンギャルドなデザインばかりでは飽きられるのも早いから。デザインの核は変えずとも、時代にフィットさせるためなのです。

 

 しかし“ブランドイメージ”は水モノ。陰にも陽にも容易に転びます。はたしてこの改名は成功するのでしょうか?

 

 幸運にもほぼ同デザインの改名モデルがあるので、とりあえず姓名(音運)判断で占ってみました。

 

 ダニエル・ロート「アンデュレ・クロノスプリント」は “周りの声を気にせず、目標に向かって突き進む”という猪突猛進型でしたが、ブルガリ「ダニエル・ロート クロノスプリント」に改名された結果、“何事も道理と深く追求して考え、納得してから行動”という理論派へと立ち位置を変更しそうです。

 

 またジェラルド・ジェンタ「オクト・バイレトロ」も“猪突猛進型で情熱的”という結果でしたが、ブルガリ「ジェラルド・ジェンタ オクト・バイレトロ」に改名されると、“頑固だが人の意見を聞いて成長していく”と出ました。

 

 なるほど。超個性的でとがった存在から、改名によってバランスのとれた良識的な時計へと進化していくという占い結果が出ています。ジェラルド・ジェンタとダニエル・ロートのニッチな存在感が好きだったというファンからみると物足りないかもしれませんが、少なくとも新たな船出としては、幸先は良さそうです。

 

 

時計界でも改名騒動勃発で、新生シリーズの運命はどう変わる!?  

ブルガリ「ダニエル・ロート クロノスプリント」。6時位置インダイアルの長短針は常に動き続けており、ロングスパンの時間計測に使用。7時位置ボタンでリセットするので第二時間帯表示にも使える。

 

 

 

 

 

時計界でも改名騒動勃発で、新生シリーズの運命はどう変わる!?  

ブルガリ「ジェラルド・ジェンタ オクト・バイレトロ」。時間表示はジャンピング式で、分針とカレンダーがレトログラード式。モノトーンにしたことで落ち着いた印象に。ベゼルはセラミック製。