時刻確認ができなければ、時計としての存在意義は無きに等しい…と思っていたのは今や過去。
最も大切にしなくてはいけないはずの“視認性”を完全に無視して、ダイアル、針、インデックスをすべてブラックで統一してしまうスタイルが、人気を集めています。
時計界に初めて登場したのは、2006年のウブロ「ビッグ・バン オールブラック」。現代における時計の存在意義とは“アクセサリー能力”だということを、声高にアピールしました。このコンセプトは今も多くのフォロアーを生み出しており、若干食傷気味という人もいるでしょう。
このようなモデルを発表するのは、どちらかといえばデザインコンシャスな時計を得意とする新進メーカーが多かったのですが、この手のトレンドにアンチを唱えそうな実用派メーカーからも登場したとなれば話は別。しかも、メーカーがカシオとなると、俄然興味がわいてきます。
この時計はセレクトショップのナノ・ユニバースとのコラボレーションモデルで、オシアナスOCW-T750がベースとなっています。そのため世界6局に対応する最強の電波機能「マルチバンド6」や微弱な光でも発電を行う「タフソーラー」を搭載する完全な実用モデル。
“いつまでも正確に時を刻む”という最強の実用性を備えた時計にもかかわらず、ダイアルも針もインデックスもオールブラックのため視認性は最悪で、時刻がよく見えない。時刻がよく見えないけど、でも絶対に正確な時刻を示している…。このアンビバレンツな関係性が何とも刺激的です。
オールブラックという遊び心満点のスタイルは、どちらかといえば、デザインコンシャスでちょっと緩めの時計に似合います。しかし最強電波時計という真逆の方向性を組み合わせるとそのインパクトはかなり大きい。真面目な学級委員が、新学期になると急にギャル化していた。そんな印象でしょうか。
しかも中身は真面目な部分を残しており、心までは汚れきっていない…。そんな意外性と健気さが心を打つのかもしれません。
OCEANUS×nano・universe カシオが誇る最旬技術を詰め込んだ最強実用時計を、ナノ・ユニバースが料理するとこうなる。限定100本のみ製作し、一部のナノ・ユニバースのショップ、もしくはウェブショップ「ZOZO」、通販マガジン「ZOZOBOOK」にて購入可能。 チタンケース、ケース径45.4mm |
ケースも大きいためオールブラックの迫力がさらに際立つ。カジュアルに合わせて楽しみたい。 | ケースバックにはナノ・ユニバースの刻印が入っており、特別モデルであることをアピール。 |