船の中央部にあるゲートからパスポートを預けて乗船する(ちなみに外国籍の船内は海外である)と、そこはもう別世界。豪華なインテリアに圧倒される。ガラス張りのエレベータが昇降する、ラグジュアリー船ならではのゴージャスな世界が待っているのだ。船尾には吹き抜け構造の天井の高いシアター「セブンシーズ・ラウンジ」が用意され「シルク・ドゥ・ソレイユ」など様々な一流のエンターテイメントが毎夜のように催されている。
また別のデッキには図書室やカジノ、ブティックなども用意され、長い滞在時間を有効に使うべく様々な施設が並んでいる。定員を抑えた設計のために、どこもパブリックスペースはゆったりしている。屋外にあるデッキの中央部分には屋外プールとジャグジーなどもあり、ゆったりとした船旅を楽しむには最高の場所が用意される。プレスに公開されたカテゴリーAにあたるペントハウス・スイートにはベランダはもちろん、ミニバー、ウオークイン・クロゼット、バスタブもある。この船のクルーズ代金には船内の食事、アルコールを含む飲み物、チップ、税金などが含まれている。10日間のコースは一人6,000ドルから。円高のおり、食事や移動の負担を考えると割安と感じる人も多いはずだ。
クルーズ船はカテゴリーによってもちろんそのサービス内容は異なるわけだが、一度このラグジュアリークラスの船のサービスを味わうと、何か物を頼む度に財布を出し、チップを用意するのが本当に煩わしいものに思えてしまう。それこそ朝からシャンパンを空けてステーキを頼んだとしても、それは全てクルーズ代金に含まれている。様々な制約から解放され、自由にのんびりと、本当に贅沢な時間が流れている。自分の人生に対して、一度はこんなご褒美を与えてあげてもいいのではないだろうか。
Photo&Text:Takamasa Wada