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「世界一美しい航路」 ノルウェー・フィヨルドを巡る船旅

「世界一美しい航路」でオーロラを観測する

 美しい街「トロムソ」からの旅の続きは陸路ではなく、船を使った航路でヨーロッパ最北端の街を目指す。沿岸急行船(Hurtigruten)に乗り「世界一美しい航路」とも称されるほどの北極圏の雄大な景色を楽しむことが出来るのだ。フィヨルドの中を進んでいる間はまるで湖のような静かな水面を進むためにとても快適ではあったが、ひとたび外洋に近づくと、大きな揺れに襲われる。複雑に入り組んだ海岸線を持つこの国では、航路が最も効率的で、重要な生活航路として発展した。観光客船としても利用されている。この航路は十数隻の様々なタイプの船が通年定期運航しているため、ニーズと予算に応じた船を選んで船旅を楽しむことが出来るのだ。

 

 今回利用した船はかなり旧式の狭い船室の船ではあったが、ラウンジやレストランも充実していたため、船内は各自思い思いのスタイルで楽しむことが出来る。すっかり日が暮れて、オーロラが観測できるような時間帯になると、多くの人が毛布を片手に甲板やラウンジに集まってくる。欧州からの観光客は日本人ほどにオーロラに執着していないと聞いてはいたが、船内アナウンスで「オーロラが始まりました」という声が流れるたびにどやどやと毛布片手に甲板に集まってきていた。残念ながら、今回の船上からのオーロラ観測は巨大なものはあまり観測されず、夜空に光る雲がたなびくような程度のもので、揺れる船内からの撮影も感度を最大限に上げても難しいものだった。しかし今回の最大のメインイベントは別の地で存分に味わうことが出来たのだった。

 

 ヨーロッパ最北の地、ノールカップへと向かう途中。メーハムンという小さな漁師街のホテルに泊まることになった。この場所もオーロラ出現の場所として有名な街である。海岸沿いには干し鱈が並び、吹雪舞う漁村ではあったが、猟師小屋を改造したというホテルは清潔だった。この日、日本から訪れた一行はキングクラブ漁に誘われて、北極海の荒々しい洗礼を受けることになる。沖合いの仕掛けから上がるキングクラブはどれも巨大で、形こそタラバガニそっくりではあるが、一回りどころかふた回り以上大ぶりなサイズのものが次々と上がってきた。ノルウェーの豊かな海産資源であるこのキングクラブは、北極海に数億匹存在するそうで、いくら捕っても減ることがないという。味もタラバガニに似てとても美味しい。この地での味付けは塩味かマヨネーズだけであるので、旅行時にはポン酢などの調味料を持参することをお勧めする。この旅のクライマックスは改めてブログのほうで紹介したい。

 

 

Photo&Text:Takamasa Wada

「世界一美しい航路」でオーロラを観測する

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和田隆昌

ライター・エディター
アウトドア系の雑誌社に入り、いくつかの編集長を経験した後、昨年までラグジュアリー系の会員誌の編集を約5年間務める。船、高級外車、不動産、投資などの記事を得意とする。プライベートではカヤック、山岳スキーなども行なうアウトドア志向である。アウトドアの知識を活かして防災士の資格を取得後、災害危機管理アドバイザーの肩書きを持ち、著作多数。防災関連では講演、TV、ラジオなどの出演も多い。