主演のフランクはいまさら言うまでもなく、ハリウッドを代表するアクションスター、ブルース・ウィリス。引退した年金暮らしという設定だが、冒頭からすぐにそのイメージを払拭するような豪快なアクションと銃撃戦に目を奪われ、期待を裏切らない。フランクと行動を共にする女性、サラには、TVシリーズで高い評価を得ているメアリー=ルイーズ・パーカー。ちょっと足りない感じのOLがお似合いだ。そしてウィリスと共に、チーム「RED」を構成するのが『インビクタス/負けざる者たち』の押しも押されぬ名優、モーガン・フリーマン。今回も渋い、いい味出してます。マーヴィン役には『バーン・アフター・リーディング』『マルコヴィッチの穴』のジョン・マルコヴィッチ。超個性的性格俳優の本領をここでも発揮する。ヴィクトリア役には『クィーン』でアカデミー賞を受賞したヘレン・ミレンなどが脇を固めている。イギリスを代表する大女優が、この映画では殺しのプロとしてライフルやマシンガンをぶっ放すのが小気味いい。
5人の主役の他にも『ポセイドン・アドベンチャー』『北国の帝王』などの名優アーネスト・ボーグナインや『未知との遭遇』のリチャード・ドレイファスというアメリカ映画史上に輝く演技派2人も参加。他にも『ロード・オブ・ザ・リング』のカール・アーバンが敵役で出演。ブルース・ウィリスと死闘を繰り広げる。『刑事グラハム/凍りついた欲望』『ボーン・アイデンティティー』のブライアン・コックス。『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』の悪役が記憶に新しいジュリアン・マクマホンなど、多彩なキャストが見るものを飽きさせない。超豪華キャストによる本作品はどこを切っても見所と言っても過言ではないだろう。さらに本作品ではオハイオ、ミズーリ、ルイジアナ、ニューヨーク、フロリダ、アラバマ、ワシントン、バージニアと全米を横断するロケーションも楽しめる。旅行記のようなポストカードによる演出もおもしろい。ストーリーそのものはそんなに複雑なものではない。堅苦しく考えずに、アクション・エンターテイメント作品として堪能できる作品だ。仕事や生活にちょっと息詰まったときに、気分をスカッとさせるには最高の作品と言えるだろう。
Text:Takamasa Wada