福岡市中央区の「三菱地所アルティアム」にて、2009年6月27日(土)~7月26日(日)の期間中、「本城直季 新作写真展 ここからはじまるまち」が開催される。
今回の展示は、第32回木村伊兵衛写真賞(2006年)を受賞した写真家、本城直季による、九州では初開催の個展。
本城は、1978年東京生まれ、大判のフィルムカメラを使用し、人物や建造物をまるでミニチュアのように撮影する独特の表現スタイルで、国内外において人気を集めている。近年は、ロンドンやハワイ、パリなどの諸都市においてヘリコプターをチャーターし、空からの撮影に取り組む。
会場では、このたびラスベガスの上空にて撮影された最新作、およそ30点を展示。空から捉えられたのは、ラスベガス東南35kmに位置する巨大なフーバー・ダムや、街の中心部を囲い込む整然と区画整理された住宅地、そして、華やかなカジノやホテルが立ち並ぶ高層ビルなど。本城にとってラスベガスは、アメリカ流の都市開発の過程をわかりやすくたどれる街であるといい、彼によってミニチュアのようにとらえられた風景は、都市が人によってつくられた人造物であることを、我々にも再認識させてくれる。
オモチャのような街の写真が、実は本物の町の空撮であるというギャップによって、人々の営みや壮大な街づくりの歴史とが、リアルに伝わってくる不思議な感覚を、ぜひ楽しんでみたい。